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2025年7月8日 詩
『たとえばこんなだまされかたを』
まことによく出来たまがい物
だまされるのも無理はない
本物がごとき繊細さも
輝きも温もりも質感も
なぜ本物ではないのかと
訴えたくなるほどの出来映え
本物であればほめたたえられることも
多かったでしょうに
だましだまされ
結末はあっけなくついた
本物が本物と
名乗っただけではあるのだが
結局のところ
”何が”本物であったのか
”何が”偽物であったのか
それが定かではないのが
不可思議なところ
さあて
みなさま 御覧じろ
これが不可思議の”もの”でござい