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2025年6月28日
世界のすべてを手にすることは、人間にとって不可能である。
なぜならば、人生の時間も回数も足りないからだ。
両親や親せき、生まれた場所、生まれた時間、教えられる文化はそもそも選択できない。
ある程度の年齢になって、選択できるころまでには、すでに人生で得られる10分の1くらいは、手にすることができなくなっているだろう。
選択ができるようになってから、すべてを手にしようと思っても、基本2分の1は無意識の内に、大半の人間が選ばない。性別による選択肢の削除は、生物における本能にも等しいのかもしれない。
そして、大半の人間がすべてを手にしようとして、忘れがちなことがある。低学歴、貧困、飢え、犯罪の加害者、犯罪の被害者、失敗と後悔、家族の喪失。それらからもたらされる感情。
世界のすべてを手にする。その言葉から受け取るものは、大半が財や幸福、好感情だろう。
しかし、それらは世界の半分の出来事でしかない。
だから、人間が世界のすべてを手にすることは不可能なのだ。
・・・・・・私がひねくれているから、こんなことを考えるのだろうか?