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ゆめうつつをつづる  作者: 稲波 緑風
2025年5月
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2025年5月21日 どく(独白)

 今日は二十四節気、小満しょうまん麦生日ばくしょうびとも。麦が実り、黄金色になるころだからそうな。

 また、七十二候、蚕起食桑かいこおきてくわをはむ

 夏日の気温だが、初夏の暦のように麦は確かに実って黄金色になっている。


 未練を残しているあの人へ、最後の思いを断ち切るための一手を打つかどうかを、悩んでいる。誰かに相談できることでもないので、答えを出すもの、決断するのも、自分の心次第だ。

 私はたった一枚、連絡を取れるかもしれない方法を残してしまっている。それを捨てられないでいるのだ。

 もしも、あの人が私のこの名前を憶えていたなら、読んでくれていたりしないだろうかと、期待してしまったこともある。もちろん、ありえないことだと、思い直している。

 馬鹿みたいに覚えている必要はないのだ。未練などいだくことが失礼なのだ。それでも、捨てられないのだ。

 自分の愚かさに反吐が出る。でもも、だっても、いらないのだ。

 だから、たった一枚、捨ててしまえば、自分の逃げ道を消してしまえる。・・・・・・わかっているのに、ね。

 すべての恋心を捨て去る、良い機会になると思っているのだけれども。なかなか捨てられない。

 私は本当に、死ぬ為の準備をしているのだろうか?

 答えは私の中に。深層心理に触れるのは、私自身だけ。

 頼る人の縁も切ってしまったから。

 相談できる相手もいやしない。

 ここに書き込むことで、私は私に向き合っているだけだ。

 それは刃にしかなっていないけれども。自傷行為と変わらないけれど。

 いつか恋心も消えて、愛情も消えて、穏やかな無関心で死を迎えられるまで、笑っている話が多くなっているといい。

 私が私の意思を、言葉で”語る”ことが出来るようになったら、偽りでも、たくさんの笑い話を書こう。そうなることを、こっそり思っている。

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