2023年12月16日 偽
早朝の暗がりの中、強く叩きつけられる雨音で目が覚めた。冬の寒さへと導く雨なのか、寒さがやってくるという天気予報がテレビから流れてくる。
今日はまだ暖かさが残っていた。日向にいればうつらうつらと眠気がやってきて昼寝に誘う。風もまだ優しくそよぐだけだった。
温もりの中、猫も丸くなって昼寝としゃれこんでいた。人の気配で起きるのか、近付くと目を開きこちらを見つめる。顔の前に手を出して、臭いをかいでもらう。問題ないのだろう、手に近かった鼻が引っ込み、またこちらを見つめる。ゆっくりと頭を撫でる。撫でられると気持ちがいいのか喉を鳴らす。手を離すともっと撫でろとばかりに目を合わせて、頭を手に押し付けてくる。
撫でているうちに満足したのか、視線があらぬほうを見る。そして、伸びをして立ち上がる。
こちらを見て鳴くが、言葉は通じない。もう一度撫でようとすると、するっと逃げてしまう。なんだなんだと見ていると付いてこいと言わんばかりの顔をする。
バケツや流しを覗いてはこちらを見るものだから、ああ喉が渇いたのかと思いいたり、水を用意する。
と、用はすんだとばかりに水を飲むことに夢中になっている。
気まぐれな猫に振り回される時間は短い。体感では長いのだが。
昼寝と猫の1日。