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ゆめうつつをつづる  作者: 稲波 緑風
2025年3月
520/738

2025年3月22日 語

 『考える』


 私は目が覚めた。ベッドの上にいる。青のカーテンの隙間から、日光が差し込んでいる。

 身体を起こし、部屋を見渡す。私の左側に白い机と白い椅子。机の上には、緑の革表紙の本が2冊。もう一冊は開かれたまま。

 正面には、エッシャーの『滝』が飾られている。いや、よく見ると滝の水が流れている。

 右側の枕元には、2本の百合。白い花弁がふくらんでいて、もうすぐ咲くだろう。足元のほうには、扉。

 私はベッドから降り、シャワーを浴びようと、扉を引く。寝室から出て左手がトイレ、目の前が浴室、右手の廊下先にリビングダイニング。

 私は髪の毛を洗う。シャンプーとリンス、コンディショナーを使って、ゆっくりと入浴時間を楽しむ。余計なのは、左足首についているバンドだけだ。

 入浴を楽しんだ後(生理現象についてはいちいち触れないでおこう)、私はリビングダイニングに向かう。まっさらなバスタオルで、髪の水気をぬぐいながら、ゆっくりと。

 リビングに置かれた2人掛けのテーブルの上に、トーストが2枚と、スクランブルエッグ、2本のウインナー、オレンジジュースのピッチャーと空のグラス。小食の私にはちょうど良い量だ。

 48型のテレビがつき、ドラマが流れる。恋愛ドラマだ、面白くもない。画面が変わるが、変わり映えしないドラマばかりだ。

 とりあえず、食事に集中するか・・・・・・。

 ごちそうさまでした。完食した私は、寝室へと戻る。

 白い机にタブレットが置いてある。ベッドからだと、本に隠れて見えなかった。

 タブレットを起動させ、映る文字が聞いてくる質問に答えていく。いつもと変わらない回答なのだが、これで何がわかるのだろうか?

 綺麗に整えられたベッドへ、開いていた本を持ってうつ伏せになる。私の読書スタイルは、いつもこの状態だ。

 本の世界に集中して、私は自分のことさえあいまいになる。

 読み終わると、ふわりと百合の香りが漂ってきた。クロユリが咲き誇っている。

 読み終わった赤の革表紙の本を、タブレットの下に置く。

 白のカーテンを開け、外を眺める。海だ。波の音は聞こえてはこないが、水平線まできれいに見える。今日は快晴だ。雨がよかったな、とも思ったが、昨日雨だったことを思い出す。

 特にすることもないので、緑の革表紙の本を開く。

 もう一度読書の時間と洒落(しゃれ)こもう。

 本の世界から戻ってきた私は、空腹と睡魔に襲われる。

 リビングをのぞくと、テーブルには気分にピッタリなサイコロステーキと赤ワイン、山盛りのマッシュポテトと山盛りのスイートコーン。美味しくいただく。

 空腹が満たされれば、あとは睡魔に負けるだけだ。(歯磨きはしっかりとしている)

 寝室のベッドにもぐりこんで、2秒。私は夢の世界の住人だった。

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