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2024年12月5日 詩゜
『壊れかけの残像』
グラスが透けて見えた
当たり前のことなのに
なぜか驚いた
「忘れさせて?」
と声は言う
しかし 爆発の音にかき消されてしまう
ああ 未熟な自分
静かなる者にはなれないと知った
絶望感
循環が呼び寄せる
一縷の望みもなく
果てのない道を
ティーカップの紅茶は
白い湯気を立てて
青い空へのぼる
水しぶきが落ちる
魅惑の幻像
朱に変わる
詩人が唄う
旅人は去ったと
ここには居ないと
抱いた願いが
影となる
虹の上
走れ 走れ
子供よ
雲が白いことに
神秘を感じた
神にいたずらしよう
歌の流れに
自分を見失う
人の力か
歌の魔力か




