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2024年10月5日
銀木犀の香りを思いっきり吸い込み、しとしとと降る雨の中で、花はどれほど散ってしまっただろうかと顔を上げた。
銀木犀の花ははらはらと落ち始めていて、「ああ、この香りももうそろそろ終わりなのだ」と思っていると、隣に咲く紅色のさるすべりが咲いているのに、気が付いた。
さるすべりの咲く時期は今だっけ?
疑問に思ったので調べてみると、意外にさるすべりの開花時期は長いらしい。今咲いているのは、狂い咲きでもなく、通常の開花時期ということだ。
7月頃から10月頃までということらしい。
そういえば、昔前の年と開花の時期が違っていて変だなぁと思ったことがあったのだが、なんのことはない、さるすべりが天気に合わせて咲いていただけである。
銀木犀の白い花は、濃緑の葉にほのかにのっているが、さるすべりの紅色は、枝の先で花である存在を主張している。
隣り合っていて、対照的に思えるのに、咲き合うことがどこか当たり前な雰囲気をもった2本。
長く咲いていていいんだよ、と声に出したくなる風景。
秋が長く続きますように。




