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ゆめうつつをつづる  作者: 稲波 緑風
2024年9月
330/734

2024年9月14日 語り

 『こんばんは、かわいい人形さん』


 カタ コト カタ コト

 耳を澄ませてようやく聴こえてくる音が、だんだんと近付いて来ているのは、気のせいではないのだろう。

 だが、どこから何が来ているのだろうか? 1DKの部屋で独り、夕飯を食べながら気が付いた音に疑問を抱く。

 カタ コト カタ コト

 玄関のほうではなさそうだ。ベランダなんてないこの部屋では、外からも難しいはず。3階なのだから。

 いや、そもそもこの音は何なのだろう?

 足音だとしたら、床がきしむ音ではないのは変だし、そもそも人間なら玄関から来るはずだ。

 まてまて、人間ならとはどういうことだろう?

 人間でないとしたら、人間でないものがあの音を出しているとするならば、そもそもここに向かっているのかすら、確かではないのではなかろうか。

 カタ コト カタ コト

 音が大きくなってきた。静かにしていれば、しっかりと耳に届く音量だ。この部屋に近付いて来ているから、であっているだろうか?

 玄関から外を覗いてみようか? いやいや、こういう時は、気付かないふり、知らないふり、見えていないふりが良いと聞いたことがある。動かないでいよう。

 カタ コト カタ コト

 止まった。

 音が止まった。

 どこで止まったのだろう?

 いやいや、気にしてはいけない、気にしてはいけない。

 ゆっくりとスマホの音量を上げて、動画を再生させた・・・・・・。

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