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2024年8月23日 詩
『確かなる現象とは 夢か真か』
明かりを探した
街はどこだろう
行ったり来たりの
道を進む
迷路の中か
夢の中か
事実を知ることが出来ない
暗がりに眠った
気付けないほどの微震
動かないはずの銅像
ここは現実か
それとも幻か
事実を知ることが出来ない
いつだったか
過去の話を未来にした
現在の話を過去にした
結末のない物語
進まない現状
事実を留める方法はなんだ
どうしようもないほど
澄んだ空だった
清らかな水だった
濁らせたのは
曇らせたのは
ありもしない現実だった
眠っておくれ
ここには現実しかない
ここには事実しかない
夢は消え去り
幻は散った
すべては夢のこと
ないものを望み
あることを失った
ただそれだけ
ただそれだけ
年をとっただけ
煌々と輝く明かりの
元に群がる
命の叫びか
魂の雄叫びか
耳を持たぬまま
息をしている
明かりを探した
部屋にともった灯りは
悪夢を追いやる
ささやかな安心すら
訪れることはなかった