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2024年8月21日 詩
『待つ 期待は外れる それでも季節は動いている』
夕立を待つ
空を見上げて
雲が広がり
黒々とした
天気になるのを待つ
青空の下
暑さに負けて
家の陰にまどろんだ
涼しげな風が吹く頃に
ようよう動き出して
空を見上げる
夕立は来ないだろうか
と
風が強くなり
雲が広がり
夕焼け空が黒になる
雨を待つ
湿った土の香りを含んだ
風が吹き出し
雨の訪れを予感させる
だが期待は外れる
雨は降らぬまま
雲は去る
明日もまた晴れるよと
西の空は赤くなり
夕立が来ぬまま
夜が来る
秋の足音を乗せた風を残して
夜が来る




