2024年6月9日 詩
ゆらゆらと波に揺られて心地よい
これは確かに至福
ふかふかの毛布に包まれて
穏やかな春の空気に満たされる
日差しはさりげなくとどき
さらさらと水の流れる音がして
時折ほほをなでる風が
木の葉をならしていく
ここはどこだろう
『夢心地』
真っ暗な場所
私はここにいる
四角い空間
居続けてはいけない
出口を探さなければいけない
だが一歩でも動けば
私はこの空間にいる”もの”に喰われてしまうだろう
横断歩道を渡る
信号は赤
自動車は一台も通っていない
時間は正午ジャスト
夏の日差しが痛いくらいだ
左手に見える大通りの交差点を
越える歩道橋には誰一人として歩いていない
地面に何か落ちている
赤
緋
赫
首が無かったり
足か腕が常とは違う方向を向いていたり
胴がなかったり
内臓だけだったり
あちらこちらに点在している
ひんやりと冷たい空気に包まれる
足場の悪い道を歩いている
光源はない
しかしなぜか明るい
洞窟の中である
たどり着いたのは青の水
水中で自ら光る青の何か
地底湖は自らの存在をただ受け入れている
湖にせり出した岩の先へ行き
飛び込む
水しぶきは上がらない
ただ水が静かに受け入れてくれただけ




