2024年5月2日 どく
まるで抜け殻のよう
誰かの隙間を埋めるためだけに生かされている人形のよう
はずれのコインを毎度引き当てる運ならば、レアが一つも入っていないものなのだとあきらめきれるのに
誰かにそそのかされただけなら、落ち葉につける火のごとく、焼け落ちれば消えるのに
指の先には誰もいない空間
声が届く先にも誰もいない
空しく響いたのは泣き声ではないけれども、笑い声でもなかった
生きている意味など探す必要はないのだと、教わっていても、なお、あがき
夢は描けども、いだき続けることはできないのだと、教わっていても、なお、もがき
結局、机上の空論で終わるのならば、こんな人生など早々に終わってしまえばいいのに、とため息をつく
流されるままに流されて生きていれば、もう少し簡単に生きれるだろうか?
示されたままに唯々諾々と従っていれば、意思なき人形のままならば、悩まなくてすんだのだろうか?
もしも、の世界線は存在しえない
なぜならば、現在の選択結果によって私は私たりえている
ゆえに、私が私ではないと証明できるのならば、もしもの世界線はあるだろう
壊れた時計を直す方法を知らないが故に、処分される
そういう生き方しかできないだろうと、哀しみに浸る”私”は思う




