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ゆめうつつをつづる  作者: 稲波 緑風
2024年5月
195/737

2024年5月2日 どく

 まるで抜け殻のよう

 誰かの隙間を埋めるためだけに生かされている人形のよう

 はずれのコインを毎度引き当てる運ならば、レアが一つも入っていないものなのだとあきらめきれるのに

 誰かにそそのかされただけなら、落ち葉につける火のごとく、焼け落ちれば消えるのに

 指の先には誰もいない空間

 声が届く先にも誰もいない

 空しく響いたのは泣き声ではないけれども、笑い声でもなかった

 生きている意味など探す必要はないのだと、教わっていても、なお、あがき

 夢は描けども、いだき続けることはできないのだと、教わっていても、なお、もがき

 結局、机上の空論で終わるのならば、こんな人生など早々に終わってしまえばいいのに、とため息をつく

 流されるままに流されて生きていれば、もう少し簡単に生きれるだろうか?

 示されたままに唯々諾々(いいだくだく)と従っていれば、意思なき人形のままならば、悩まなくてすんだのだろうか?

 もしも、の世界線は存在しえない

 なぜならば、現在の選択結果によって私は私たりえている

 ゆえに、私が私ではないと証明できるのならば、もしもの世界線はあるだろう

 壊れた時計を直す方法を知らないが故に、処分される

 そういう生き方しかできないだろうと、哀しみに浸る”私”は思う

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