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ゆめうつつをつづる  作者: 稲波 緑風
2024年4月
187/736

2024年4月25日 偽

 雨上がりの少し湿った空気と水を含んだ土の匂いが太陽と祝杯をあげているような日。

 夏の熱だけが先に来てしまったような暑さの中、毛玉に挟まれている。

 いつもならけんかが始まるのに、今に限って二匹とも甘えたい気分なのか、ゴロゴロとのどを鳴らして、両脇に座っている。

 一応、家の中で日陰にいる。窓が開いてはいるが、風は強くない。扇風機はまだ押入れの中だし、エアコンのない部屋にいる。要するに、暑いのだ。

 ピタリと身体を寄せてきているわけではないから、二匹も暑いのだろう。それでも離れないのはなぜか?

 私が今座っているこの場所から動いてしまえば、いいのだろうがーー。

 少し動く度に「なに? 動くの?」という目で見てくるので、さて困ったと動けなくなっている。

 とはいえ、午後の一時半。暑さはそろそろピークを迎えるので、もふもふした毛玉に挟まれ続ける至福の時間も、ちょっと遠慮したい。

 ごろりーーー野良猫がニャンモナイトになる。背中は私の左手に近い。

 すっーーー家猫が香箱すわりをする。前左足が私の右手に近い。

 完全に、熟睡モードですね。ありがとうございます。などと心の中でつぶやく私。

 スマホも手元にないので、あきらめた私は音をたてないように立ち上がる。

 どうした? どうした? とこちらを見てくる二匹をそのままに私はその場を離れた。

 少しは満足したのか、二匹はそのまま寝たようだった。

 だが、急いでスマホを取りに行き、私が戻ってきた時には、すでに家猫の姿はなく、野良猫は寝る位置を変えていた。

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