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ゆめうつつをつづる  作者: 稲波 緑風
2024年4月
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2024年4月6日

 私は子どもの頃、けがをあまりしなかった子だった。いや、鈍感だったというべきかもしれない。

 だが、骨折したことはないし、捻挫も中学に入ってから初めてだった。

 まあ、高校以前の記憶はものすごくあいまいで、本当にそうだったのかは、わからない。

 ただ、小学生の時に左腕を肉が見えるほど、錆びた釘で切ったことは覚えているし、鉄棒に濡れたハンカチを握った左手でつかみ、手が滑った反動で、左腕がまっすぐに回ってしまったことは覚えている。

 中学の運動会の練習中、長縄飛びで足をひっかけて帰宅後に両足首が腫れていたり(翌日も多分練習してた)、高校の球技大会にて相手選手と接触しメガネが割れて右目の下をレンズで切ってしまったり、とけがをしていないわけではない。

 擦り傷、切り傷、軽いやけどなんていうのは、あまりけがの内にいれていないかもしれない。

 さて、問題は捻挫である。長縄にひっかかってこけたので、痛みはあったはずなのだ。しかし、私は捻挫というものがわからなかったので、気にしていなかった。私がこける前に、他の子が同じようにこけて、捻挫したと言っていたのにもかかわらず。

 で、処置もしないまま、帰宅し、夕食も食べ終わった後だったと思う。もしかしたら、入浴も終わって、寝る前のことだったのかもしれない。痛みが続いていたので、その時にやっと「これって足腫れてて、捻挫って言うの?」と家族に尋ねたのだ。どれだけ、馬鹿な子どもなのかと思うが、私はわからないことは後回しにしがちなのである。

 家族はすぐさま「シップを貼れ、癖になるぞ」と言って処置をしたわけだが、その時点でもう手遅れなわけである。

 見事に捻挫が癖になり、もともと歩き方がおかしい私は、足首を痛めやすくなった。

 もはや手の付け処のない馬鹿である。同じようなことをしている人間が目の前にいて、なぜ自分はそうでないと思ったのか・・・・・・。

 教師に止められなかったからか、迷惑をかけちゃいけないと思ったからか、あの子は怪我をしやすい子で私はそんなことないと思ったからか、私が怪我しちゃいけないと思ったからか・・・・・・。

 もはや、あの時の感情は不明である。残っているのは、捻挫しやすくなった両足首のみ・・・・・・。

 捻挫をしやすくなると、骨が痛むとも聞く。骨折をしたことのない私は、骨折しても気付かないのではないかと、ひそかに馬鹿な心配をしている。

 今日もまた、軽い痛みが足首にはしった。捻挫ではないだろうが、何かしらやらかしてしまったのだろう。一応、シップだけ貼っておく。痛みがもうないのだから、大丈夫、大丈夫・・・・・・。

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