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2024年2月16日 詩
『これもまた一生』
息をする
すってはいて
まばたきをする
閉じて開いて
声を出す
喉を震わせて喉を止めて
首を曲げる
右に左に
姿勢を変える
背筋を伸ばして背筋を曲げて
歩く
右足を前に左足を前に
朝がくる
目を覚まして起き上がる
仕事の終わりで帰宅する
昼がくる
昼食をとる休憩する
仕事をする睡眠中
夕方になる
仕事の終わりで帰宅する
目を覚まして起き上がる
夜になる
寝る準備をして目を閉じる
仕事をする休憩する
夢をみる
夜の不可思議な夢を
昼の叶うか叶わないかわからない夢を
他人と出会い別れ
他人と会話しケンカし
文字を書き文字を記入し
記録し記憶し出力する
勉強し仕事し休み迷い
趣味を楽しみ
暇を持て余し
正常なる判断も
異常なる判断も
すべては自分が決めていること
すべては運命によって決められていること
しきたりもルールも法律も
人間であるための決まり事
それを破れば獣でしょうか?
それでも生きて死んでいくまで
それもまた一生




