プロローグ
それは入学式も終わった4月下旬、僕は授業中に窓の外を見ながら大きめのため息をついた。
僕の名前は神山優太郎。今年入学したピカピカの高校一年生である。
新しい学校、新しい生活、そして青春。
ウキウキでこの学校の敷居をまたいだ。
だが、
『僕の思ってたのと全然違う!!』
思わず心の中でそう叫ぶほどには現実を見せられていた。
別に友達ができなかったわけではない。
出席番号の近い、もとい席の近い人とは普通に話す。
では何が想像と違うのか
それは、
『青春が一切ない!!』
このことに尽きる。
アニメで見た高校生活とは、付き合っているわけでもないのになんか女子と話し、
相談に乗り、部活に励み、友情を育む。
そんな生活を夢見ていた。そう夢だった。
僕は、理由もなしに女子としゃべれるほどコミュ力高くない。
中学は卓球部で、高校には卓球部がなかったので部活にも入っていない。
われ思う、
『僕の青春は詰んでいる』 と、
僕もすぐに彼女ができるなんて高望みをしていたわけではない。
毎朝、、ちょっとエッチなハプニングも笑って見逃してくれるような幼馴染が起こしてくれて
普段は大人っぽいけど、どこか抜けている先輩に可愛がられ
小悪魔的な後輩に、実の兄のように慕われ
トーストくわえた転校生と曲がり角でぶつかり・・・・
そんな日常まで求めていたわけでは断じてない。
正直、それは非日常だろう。
だが今の現状はあんまりだ。
部活に入っていないのが大きいのかもしれないが、
クラスはもうすでに完全に群れができていた。
入れていないのは、俺の斜め前のずっとラノベを読んで二ヤついているやつと、
いかにも腐女子みたいなグッズを持っている女子と
いろんな人と少し話しているだけの僕ぐらいだろう。
改めて、われ思う。
『やっぱり僕の青春は詰んでる!!!!』