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98話 俺の長所は常識外れ!

 シキブと別れて、カンナと待ち合わせの店に着いた。


「待たせたか?」

「いえ、私もさっき来たところです。 それで用事というのは?」

「鑑定して欲しい物があってな」


 アイテムボックスから『封魔具』の指輪を出した。


「これですか?」

「あぁ、俺のレベルでは全くわからない」

「そうですか、鑑定してみますね」


 カンナは鑑定を始めた。

 ……ところで鑑定料って、いくら位なんだろうか?


「これは、『魔力封じの指輪』ですね。 かなりのレアアイテムですよ!」

「さすが、カンナだな」

「いえいえ、このレベルであればタクトさんでも、簡単に見えるはずなんですがね?」

「そうなのか? 全く分からなかったぞ!」

「変ですね?」


 『魔力封じの指輪』

 この指輪を装着した者は、一定以上の魔力を通常の四分の一まで抑える事が出来る。

 自分の意志で、魔力をゼロにまで抑える事も可能。

 しかし、一度装着すると死ぬまで外すことは出来ない。

 外すには装着した指を切り落とすしか方法は無い。

 その際に切った指は、絶対に元に戻ることは無い。


「そうか、まぁ期待に近い能力だな」

「又、とんでもない事考えているんですか?」

「又って! いつも普通だぞ」

「タクトさんの普通は、常識外れなのが私達の常識になってきていますので!」

「そうなのか?」

「はい」


 完全にバケモノか変人扱いだな……

 指輪の件は、予防線を張っておいた方がいいか。


「このデザインを、気に入っている人が居るんだよ」

「そうなんですか」

「うっかり嵌めて【呪詛】にでもかかると大変だから、カンナに鑑定依頼したってことだ」

「そうなんですね」

「これを人間が嵌めたらどうなるんだ?」

「多分、なんの影響も無いでしょうね。 人間であればそれほど魔力はありませんから」

「そうなのか? 俺は人間族だけど……」

「だから、タクトさんは常識外というか、変なんですよ!」

「そうなのか?」

「はい。 しかし、獣人には魔人なみに魔力がある者も居ますので、その場合は指輪の効果が発動します」

「なるほどな」

「どちらにしろ、人族で影響が出るような方々は、その分野でかなりの地位にいる実力者に限定されるかと思います」


 大体の内容は分かった。


「ところで、鑑定料はいくらだ?」

「あぁ、サービスで良いですよ。 色々と刺激的な事に参加させてもらってますし」

「いいのか?」

「はい!」


 ここは、カンナに甘えることにしよう。


「この間、言っていた指名クエストってどうなった?」

「あぁ、それなんですが……」


 来月は、師匠の誕生月なのだが贈り物に悩んでいるそうで、なにか良い物が無いかという相談だった。


「クエストっていうか、相談ね」

「はい。 出来れば服なんかを贈りたいと思うんですが、なかなか良い物が無くて困っているんですよ」

「この国で最高の糸って何になるの?」

「そうですね、糸や織物も含めてですが、魔族製になりますが『アラクネ』の物は超一流品ですね」

「そうなのか?」

「はい、入手も困難ですし、加工も一般人では扱える代物ではありません」

「なるほど、丁度俺も服が欲しかったから、アラクネに作って貰うか!」

「えっ! タクトさん、今私の話を聞いてましたか? それに自分が、何言ってるか分かってますか?」

「おぉ! アラクネに服作って貰うんだろ?」


 カンナは、可哀そうな子を見る目で俺を見ている。

 シキブに教わったのだろうか?


「そもそも、アラクネの生息地域も分かりませんし、分かっても魔物なので作って貰える保証はありませんよ!」

「ん~、そうか。 とりあえず近々出発してみるわ。場所が分かったら呼びに来るから、師匠のサイズ確認とデザインは考えておいてくれ」

「相変わらずの常識外れですね……」

「もう、皆から散々言われているから、むしろ俺の長所だな!」

「常識外れが長所って、面白いですね!」

「そうだろ!」

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