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95話 高飛車な女神!

(はい、エリーヌです)

(おぉ、ちゃんと受け答え出来る様に成長したのか!)


 久しぶりにエリーヌに連絡をする。


(当たり前でしょ! これでも女神だよ!)


 この間まで、それが出来ていなかっただろうが!


(それで、なんか用?)

(別に用は無いけど、近況報告は必要なのか?)

(ん~、こっちからたまに観察しているから問題無いよ! ゴンド村の神祠は、小さいけど許してあげるよ!)


 なんで、こいつこんなに上から目線なんだ!

 お前の為に必死になっているのに、ふざけるなよ!


(あっ、そう! そんなこと言うなら、御神像をこれに変更するわ)


以前、リラに造って貰ったイメージ通りのポンコツ女神像を取り出す。


(えっ! なにそれ! ちょっと止めてよ!)

(労いの言葉も無く文句言うなら、これからは俺のイメージ通りの女神を皆に広める!)

(でもそれ、私のイメージじゃないじゃん)

(お前のイメージそのものだよ! もう切るからな!)

(あっ、その生意気な事言ってゴメンナサイ)


 【神との対話】を一方的に切る。


 その後、エリーヌから何回も連絡が入るが、全て無視する。


 一〇分間ずっと鳴り続けるので仕方ないと思い、


(どちら様ですか?)

(エリーヌです。先程は大変失礼致しました。タクト様の頑張りによって、大変助かっております)

(それで)

(はい、今後も今の御神像のままで、御願い出来ませんでしょうか)

(ん~、どうしようかな?)

(御願いします。あんな御神像じゃ他の神から、笑いものにされちゃいます)

(それじゃあ、俺をちゃんと敬うか?)

(はい、タクト様を尊敬致します)

(よし、分かれば良い。しかし、二度目は無いからな!)

(……はい)


 これで、少しは変わってくれれば良いのだが……。


(ところでエリーヌの方で、なにか情報は無いのか?)

(そうだね、気になるのはあるよ)

(そうか、それを教えろ!)

(えっ! これは機密情報だし……)

(そうですか、教えてくれないなら別に良いです。では)


 【神との対話】を一方的に切る。


 やはり、すぐに連絡が来る。


(何か用か?)

(そんな一方的に切らなくてもいいでしょ! 特別に未確定情報だけど教えてあげるよ)


 エリーヌから聞いた内容は、衝撃的だった。

 近々、第四柱魔王が誕生するという報告だった。


 真っ先に頭に浮かんだのは『オークロード』だ。

 アルの予測で場所までは特定出来ているが、対策まではしていない。

 地理的にも俺がすぐに行ける場所でもない。

 あくまで、未確定情報という事なのだが、信憑性がどこまであるか……。


(エリーヌ、今この世界には何人魔王が居るんだ?)

(それは簡単に答えられるよ! 四人だよ)


 という事は、今回誕生したとしても、六柱全て揃うという事にならない。

 そもそも、なんで魔王は六柱なんだ?

 それ以上の該当者が現れたら、弱い奴と入れ替えになるのか?

 システムが、よく分からないが確認は今度にしよう。


(第五柱か第六柱の情報を教えてくれ!)

(ごめんね、それは絶対に無理なんだよね。まだ、私達が干渉出来る範疇じゃないから)


 いつもの茶化した言い方でない分、真実味が増す。


(けど、私からのサービスでヒントだけ教えてあげる)


 おぉ、いつもより優しいな。

 なにか裏があるのか……。


 ヒントは、第五魔王についてだった。

 今までの魔王と違い、かなり頭が回るようで魔王になった瞬間に姿を現さなくなったらしい。

 エリーヌは、俺とは相性が悪いと思うから気をつけろとも忠告してくれた。

 今回聞いた魔王の件は、他言無用と言われた。

 魔王誕生が分かっているのに、何も出来ないという事か……。

 ギルドの情報を、逐一確認する必要があるな。


(そうか、分かった)

(タクトが簡単に死んじゃうと、私の評価も下がるから特別だよ)

(お前の評価の前に、お前が俺を殺すように【呪詛】掛けまくっているだろうが!)

(……それは、不可抗力だし)

(もういいよ、とりあえず定期報告はしないから)

(たまには、連絡してきても良いよ)

(なんでお前が、上から目線でしゃべるんだ!)

(……すいません)


 心配事が増えただけだったな……。

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