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843話 共存共栄!

 ――ガルプによる王都への襲撃より、数週間が過ぎた。

 ルーカスたち王族も俺のことを思い出した。

 何度も、城に呼ばれて面倒だった……。

 四葉商会の社員たち全員も俺のことを思い出したので、俺は代表に戻る気はないことと、これからもマリーと中心に頑張って欲しいと伝えた。

 言い出したらきかない俺だと分かっているので、何も言わずに了承してくれた。


 再度、俺とユキノとの婚約を発表したことで、この件については解決した。


 問題は魔族との共存になる。

 ゴンド村の件を、ルーカスたち国政に関わる関係者と、ジーク領領主のリロイに、ゴンド村村長のゾリアスたちで、正式発表に関しての調整が行われていた。


 そして、俺とアルにネロも出席して、試験的にゴンド村で魔物と共存する。

 最強と恐れられる魔王のアルと、ネロが在住すること。

 他にもいくつかの魔族がいること。

 元王国騎士団副団長のゾリアスが、村長を務めること。

 そして、俺とユキノも住むと正式に発表をされる。

 世間は、この話題で持ちきりだった。

 なによりも、ドワーフと親交があるということは、商人ギルドで大きな話題となっていた。

 そして、新たに商人ギルドを設けることとなった。

 形式的には、ジークの出張所の扱いとなる。

 商人ギルドのギルドマスターは、俺やグランド通信社代表のヘレフォードの説得もあり、しばらくの間は、エイジンに頼んだ。

 四葉商会に所属したうえで、出向してギルドマスターの業務をすることになる。

 他の街の商人ギルドのギルドマスターも同様なので問題無い。

 冒険者ギルドも新たに設ける話もあったが、商人ギルドに比べて必要性があまりないので、必要なら設置することで話がまとまる。


 ゴンド村へは、半年後から人の出入りが解禁されるので、半年間で準備をする必要がある。


 因みにゴンド村で犯罪を犯した場合、エルドラード王国の法は適用される。

 しかし、友好的だと言う魔王の機嫌を損なった場合、人知れずに存在を消される恐怖を感じている者もいるのも事実だ。


 とりあえず、人族と魔族の新たな一ページが刻まれた瞬間なのは間違いないだろう。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 この発表後、ゴンド村は大慌てだった。

 村に訪れる人たちの宿泊施設や、魔族たちの人族への恐怖心。

 特にコボルト族や、エルフ三人娘たちだ。

 コボルト族は、人族から虐待を受けていた過去があるので、簡単に心を開くことができないと感じていた。

 エルフは元来、他種族との交流をしない。

 多少は慣れ始めていると思うが、珍しい種族なので人が寄ってくることは間違いない。

 他種族との衝突はあるだろうが、それは避けては通れないことだ。

 村での会議の結果、俺のやるべきことが決まる。

 シロとクロにピンクーは、定期的に戻ってきてもらっているが、今もエテルナの体を捜索している。

 とりあえず、シロに戻ってきてもらい、村を囲う土壁を広げてもらい、より高いものへ作り変えてもらうことにした。

 そして、出入口は一つにした。

 森への出入口は、村長であるゾリアスが持っている鍵がないと開けられない扉を付ける。

 そして、出入口全てに水晶を置いて、水晶に【真偽制裁】を施す。

 保険のようなもので、犯罪を犯さないのであれば問題無い。


 エリーヌを祭る場所の改築がもっとも、村の人たちが口にした言葉だった。

 いろいろな人が訪れることになるので、自慢のエリーヌ像をより綺麗にして多くの人たちに見てもらいたいようだ。

 俺はその言葉を聞いて、とても嬉しくなった。


 困ったことに説明文も添えたいから、エリーヌの詳しい話を教えて欲しいということだった。

 俺の知っているエリーヌの話を、そのまま記載すれば――言うまでもない。

 ここに来てエリーヌの存在を知ってもらえるだけでも、俺は嬉しい。


 メリットとデメリット。どちらもある状態だが、希望と不安を感じながら準備を進めて行く――。

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