表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

83/942

82話 魔王の師匠!

「シキブ!」


 俺の声で、我に返る。

 一応アル達に、礼を言う。

 レベルの違いが大きすぎて、理解が出来なくなっているのだろう。

 特に脳筋の格闘バカふたりは、力の差に愕然としている。


「失礼ですが、貴方達がタクトに負けたのは事実なのですか?」

「おぉ、何十回も戦ったが一度も勝てなんだぞ。 なぁ、ネロ」

「そうなの~、師匠には全敗なの~!」

「えっ! 何十回戦って、一度も勝てない……」


 シキブが俺を見る目が怖い……

 魔王にゲームで勝ったとは、今更言いにくいよな……


「だから、タクトは妾たちの師匠なのだ」

「そうなの~!」

「師匠の友は、妾達の友でもある! ゴンド村と同じだ」

「……ゴンド村と同じ?」


 シキブが敏感に反応した!


「おぉ、村が魔物に襲われない様に、グランニール達に守らせているぞ」

「グランニールって、ドラゴン族最強のグランニールか!」


 ムラサキが興奮気味だ!


「おぉ、そうじゃ! あいつも有名になったな。 タクトが、村を気に入っていたので守らせておる」

「それで、タクトさんは『グランニールの髭』を持っていたんですね」


 カンナが、商人ギルドの試験の事を思い出したかのように口にした。


「グランニールの髭ですって! 王都に豪邸を建てれる位の価値があるんですよね」


 何故かイリアが、異常に興奮している。


「まぁ、色々あってだな……」


 頬を掻きながら、目線を逸らす。

 五人の視線は、完全に独り占めだ……


「魔族が、人族の村を守るなんて聞いたことないですわ……」


 冷静になったイリアは、ドラゴンに守られるという事を疑っている。


 まぁ、そうなるだろう。


「それなら、ゴンド村からの証人を連れて来た方が良いか?」

「えぇ、そうね。 御願い出来る」

「あぁ、すぐに連絡を取る」


 フランとマリーに、冒険者のギルド会館に来て貰うように連絡を取る。

 受付嬢にはイリアから連絡を入れて貰った。



「お前ら、あっちの部屋で遊んでいろ」

「なんでじゃ!」

「えぇ~!」


 素直に聞くふたりじゃないのは、よく分かっている。

 しかし、「街でも見学してこい」と気軽にも言えないし……


「シキブ、これってもっとあるか?」


 テーブルにある菓子を指差す。


「多分、あると思いますよ。 そうよねぇ、イリア」

「はい、下に菓子やケーキ類は御客様用に常備しております」

「それ、全部買い取るから、こいつらにあげてくれ!」


 食べ物で大人しくさせるしかないよな……


「シロ! クロ!」


 ふたりを呼ぶと、空中と影から姿を現す。

 トグルとカンナは初めて見るので、驚いている。

 ローラは、クロが影から出て来た事に、興味を示しているのがスグに分かった。


「アルとネロを連れて、隣の部屋で見張っていてくれ」


 とりあえず、監視役はこのふたりで良いだろう。

 アルとネロには、「この菓子とケーキを隣で大人しく食べてろ!」と言うと喜んで隣の部屋に移動していった。

 絶対に物は壊すなと、何度も言い聞かせた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ