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733話 冒険者登録!

 シロとクロに、デニーロの居場所を調査してもらう。

 情報が少ないので難しいかと思う。

 追加で情報が入り次第、連絡する事を伝える。

 二人共優秀だから、大丈夫だろうと思いながら無理な調査を開始して貰った。

 俺は事前に、ゾリアスに確認するかと悩んだ。

 それに、ローレーンがレグナムの言葉に込められた思いを、どれだけ汲み取れるだろうか……。

 レグナムの復讐は、あくまで自分の問題で、弟子のローレーンには関係の無い事だと思っている。

 自分の問題にローレーンを巻き込みたくないのだろう。


 レグナムから、エルドラード王国に入ったと連絡を受ける。

 当然、ローレーンも一緒だ。

 俺は迎えに行くと伝えて、ゾリアスに客人を連れて行く事を伝える。

 俺が連れて行く人物なので、信用は出来ると判断してくれたようだ。

 因みにアルとネロも居て、ババ抜きばかりしているそうだ。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



「待たせたか?」

「いえいえ」


 笑うレグナムとは対照的に、ローレーンは暗い表情だった。


「どこまで話したんだ?」

「全部話しました」


 ローレーンを見るが、俺達と目線を合わせようとしない。


「……納得していないのか」

「えぇ、まぁ」


 レグナムは苦笑いしている。

 俺はローレーンに向かって、ローレーンの意志を尊重する事を伝える。

 強くなるように稽古をつけてくれる人物を紹介するが、師匠と弟子の関係は、心身共に尊敬出来る関係が成立しているからだ。

 例え、レグナムが居なくなったとしても師匠はレグナムだけだと思っても良いと話す。


「……分かりました」


 ローレーンは、師匠はレグナムのみと言う言葉に心が動いたのか、返事をしてくれた。


 俺はまず、ローレーンに冒険者登録して貰う事を話す。

 レグナムは俺の意見に反対はしなかった。

 今迄、レグナムがローレーンの冒険者登録を拒否していたのか、ローレーンは嬉しそうな表情を浮かべた。

 そして今から起こる事は、絶対に秘密だと念を押す。

 二人共、約束してくれた。


 俺は二人を連れて【転移】でジーク近くへと移動する。


「これは……」

「俺の転移魔法だ」

「幻と言われている転移魔法ですか……」


 レグナムとローレーンは驚いていた。


「秘密だぞ!」


 俺は笑顔で話す。


 ジークに入ると寄り道をせずに、冒険者ギルド会館を目指す。

 冒険者ギルド会館に、冒険者は少なかった。

 俺は受付嬢にローレーンの冒険者登録をしてもらうように頼む。

 受付長になったばかりのユカリが、見た事の無い俺達を警戒したのか挨拶をする為に現れる。

 俺とレグナムは冒険者カードを提示すると、ユカリの顔が青ざめた。

 不審者だと思った男達が、実はランクSSSとランクSSの高ランク冒険者だったので、驚いたのだろう。


「しっ、失礼しました」


 頭を下げて非礼を詫びた。


「気にするな。それが仕事だろう」

「そうですね。怪しいのは私達にも責任がありますしね」

「そうだな」


 こういうやり取りだけでも、レグナムと気が合うというのが良く分かる。


「少々、御待ち頂けますか」

「あぁ」


 多分、ユカリはギルマスのルーノか、サブマスのトグルを呼びに行ったのだろう。

 その間も、ローレーンの冒険者登録は進められていた。


 暫くすると案の定、ルーノとトグルが二階から下りてきた。


「この街のギルマスを務めているルーノです」

「同じく、サブマスのトグルです」


 俺は二人共変わっていないなと思う。


「俺はタクトだ」

「私の名は、レグナムです」


 俺達も自分の名を言う。


「高ランク者の御二方が、このジークに来られるとは何かあったのですか?」


 ルーノは、心配そうな表情で俺達を見る。


「いやね。私の弟子である彼女の冒険者登録に来ただけですよ」

「そうそう」


 俺達が軽い感じで話すからか、ルーノとトグルも肩透かしにあったようだ。


「レグナム師匠、登録終わりました」


 丁度、ローレーンの冒険者登録も終わる。


「あっ、そうそう。ローレーンは、オーフェン帝国の皇女だから」

「えっ!」


 ルーノにトグル、それと後ろに居たユカリが驚く。


「だから、ローレーンは、オーフェン帝国の皇女」

「そうそう」


 俺はローレーンを見ながら話すと、レグナムも笑いながら相槌を打つ。


「じゃあ、用事も終わったんで」

「ありがとうね」


 俺達は冒険者ギルドを出ようとすると、三人に必死で止められる。


「ちょっ、ちょっと待って下さい」

「なんだ、用事でもあるのか?」

「少しで良いので、御時間を下さい」


 仕方が無いので、ルーノ達に付き合う事にした。

 しかし、ルーノもギルマスらしく丁寧な言葉使いをしている事に感心をする。

 そして、俺は丁寧語が使えない事が、本当に悔しかった。

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