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71話 職人という生物!

 ザルボの工房は、通常の工房よりも少し大きく、床にはガラスの破片がそこら中に散らばっている。

 奥の棚には商品らしき物が陳列してある。

 ムラサキは、武器では無いからか全く興味が無い様子だ。

 外で違う工房を見ながら、別のドワーフと話をしている。


 ザルボに挨拶をしたが、作業が一区切りするまで待つように言われた。

 邪魔をしても悪いので、言われた通り待つ事にする。


 入口横に、先程話に出ていた『波のような帽子』があった。

 イメージ的にガラスで出来たシャンプーハットだ。


 その横に不格好ではあるがティアラの様な形のものがある。

 問い合わせてみると、ガラスのシャンプーハットを造る際に失敗したものだと言う。


 これ位なら、俺のスキルでも加工可能か?


 暫くすると作業を終えたザルボが話を聞いてくれた。


 まず、失敗作と思われる作品の買取を希望する。

 そんな失敗作は売るような物では無いから、タダで持っていけと言われた。


 ザルボに完成形のイメージ見せて、製作可能か確認してみる事にする。


 失敗作を買い取ろうとした俺を不思議に思っているザルボに、


「今貰ったこのガラス細工だが、俺のスキルで加工して良いか?」


 尋ねてみるが、


「人にやったものを、どうしようが俺の知ったこっちゃない!」


 全く関心を示さないので「少し見てくれ!」と頼む。

 目の前で【加工】のスキルで、不格好だったティアラをそれなりの形に変化させた。


「なんだこれは!」


 今迄に作ったことの無い形なので、使用目的も分からないのだろう。

 頭に被り、帽子の様な物だと説明をした。

 興味を持ったのか手に取り、色々と触りながら確認をしている。

 奥の棚から、別のガラス細工を出して比べたりしている。

 満足したのか、俺にティアラを戻すと入口まで行く。

 『波のような帽子』を手に取り、力一杯床に叩きつけた。

 激しく砕けたガラスが飛び散る!


「スキル如きで、そのレベルまで造れるってことは、俺もまだまだだ。 今度来る時までに、最高のガラス細工を用意しておく!」


 確認はしなかったが、ザルボであればこのレベルに近いのは造れるって事なのだろう。

 ガラスのティアラを【アイテムボックス】にしまう。


「期待している」と言い、工房を出てムラサキ達の所に行く。

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