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705話 力とは?

 久しぶりに会うネイラートは元気そうだった。

 それはイエスタも同様だ。


 俺はシロとクロを呼び戻して、エルドラード王国で起こった事を話す。

 このシャレーゼ国でも、プレッソという港町で同様の事が起きて、町が壊滅している事を伝える。

 魔人は二体居たが、シロが討伐したので被害は、これ以上大きくはならないと伝える。

 詳しい説明は、現地で見たシロから説明をして貰う事にした。

 シロが、プレッソ町の状況を詳細に説明する。

 生存者は居なかった事に、町の倒壊具合等だ。


「有難う御座います。原因は分かっているのですか?」


 ネイラートが、説明の礼と原因について質問をしてきた。

 俺は仮説として、この世界で闇の仕事を請け負っていた『黒狐』という組織の仕業だという事を教える。

 そして、黒狐の後ろには第五柱魔王プルガリスの存在が居る事も。


 ネイラートはイエスタにプレッソ町へ、騎士を派遣するように指示を出す。

 そして、近隣の町や村にも被害が無いかを確認するように、追加で指示をする。

 体が爆発したと言われる獣人族の調査は、六道衆の数人かを含めて調査を進めるらしい。

 ネイラートを見ながら「国王らしくなったな」と、俺は思う。


「タクト殿。この後、少し話でも良いですか?」

「あぁ、いいぞ」


 ネイラートは六道衆とイエスタのみ残して、他の者を部屋から退室させた。

 あまり、人に聞かれたくない話なのだろう。


「六道衆とイエスタが、この国の最強と言われている者達になります」

「あぁ、そうだな」

「彼等の実力は、エルドラード王国や、オーフェン帝国と比べて、どの程度の実力になりますでしょうか?」

「それは、どういう意味の質問だ?」


 ネイラートは、シャレーゼ国は今迄、閉鎖的な国であった為、他国と比べる事が無かった。

 それに前国王ウーンダイも、ウォンナイムに操られていた為、兵達の強化について興味を示していなかった。

 あくまで自国の防衛と、これから他国との交流も含めて、自国の最強と言われる者達の実力を知りたいと話す。

 俺もネイラートが、他国に攻め入るような思考の持ち主だとは、思っていない。


「正直に言うがいいのか?」

「御願いします」

「基本的に人間族は、この世界では弱小種族だ。力であれば鬼人族や、獅子人族等の獣人系種族には適わない。魔法で言えば、狐人族には到底、適わないだろう。それでも敢えて言うのであれば、イエスタは中の上くらいだろうし、六道衆は中の中くらいだ。」


 俺の言葉に六道衆の表情は険しくなる。

 当然だろう。自国最強と言われている自分達が、他国では人並みの実力しかないのだから。

 以前の三国会議では六道衆の内、三人が護衛として同行していたので、思い当たる節がある者も居るだろう。


「信じられなければ今度、オーフェン帝国で行われる武闘会を観覧するといいだろう」

「そのような大会があるのですか……」


 まだ、国の復興が出来ていない状態なのに、そのような場に出席するような事は出来ないのだろう。


「まぁ、だれか代理で数人出席するつもりなら、俺から招待状を出して貰うようにするが、どうだ?」


 俺の言葉に反応する者が居た。

 イエスタと、俺をここまで案内してくれたファビアンだった。

 二人は見聞を広める為にも、是非ともオーフェン帝国での武闘会を見てみたいと、ネイラートに申し出ていた。

 ネイラートも承諾して、二名を招待して欲しいと俺に頼んだ。


「分かった。招待状は後日届けるが、オーフェン帝国まで船での移動だし、日数もかかるだろう? それに、港町であるプレッソは酷い状況じゃないのか?」

「そうですね……それはこちらの問題なので、なんとかします」


 俺が助け舟をだそうとした。しかしネイラートも、これ以上は俺に甘えられないと思っていたようで、力強く答えた。

 俺もそれ以上は、何も言わなかった。

 シロには申し訳ないと思いながら、オーフェン帝国に行って、シャレーゼ国から武闘会を観覧する為に二人招待状を出して欲しいと、フェンに頼んでもらうように言う。

 嫌そうな表情をするシロだった。

 シロは「では、失礼します」と言って姿を消す。

 早速、フェンの所に向ったようだ。


「感謝します」


 俺はネイラートから礼を言われる。

 その後は、国の状況等を話してくれた。

 六道衆が護衛だけでなく、行政にも絡んでくれているようだ。

 六道衆はネイラートの力になっている。

 先程の話だと、戦闘力に拘っているように感じたが、ネイラートの力になっているのであれば、それだけでも十分な力だと思うが、本人達は気付いていないのだろう。

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