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698話 探索!

 俺とクロはステラ達の所に戻る。


「待たせて悪かった」

「いいえ。貴方か貴方で確認したい事があったのでしょう」


 ステラは俺の行動に一定の理解を示してくれた。


「先に送り届けるから、目を閉じてくれるか?」

「はい、分かりました」


 助けた四人の狐人族達は、俺の言う通りに目を閉じた。

 クロが影の中へと、四人を取り込む。


「……何故、転移魔法を使わないのですか?」


 俺はステラの疑問に、「四人を送る前に、黒狐を抜けた者を探すつもりだ」と答える。

 そして、エルドラード国内に黒狐を抜けた者が二人居る事と、彼等に会うつもりだとを伝えた。

 出来ればステラにも同行して貰い、彼等をどうするかは一度、彼等と話をした上で考えて欲しいと頼む。


「……分かりました」


 ステラは俺の意見を聞き入れてくれた。


「場所は分かっているのですか?」

「多分、大丈夫だ」


 俺は【全知全能】に黒狐を抜けた者でエルドラード王国に居る二人の場所と名前を聞く。

 二人の名は『クレメンテ』『パトレシア』と言い、場所は『スーズイ村』と言う場所に居るそうだ。

 クレメンテは男性で、パトレシアは女性と言う追加の情報も得る。


「スーズイ村ですか。王都より、かなり離れた南にある村ですね」

「知っているのか?」

「当たり前です。私を誰だと思っているのですか」


 確かに三獣士として、エルドラード国内で何年も活躍をしていれば、一通りは国内を回っているかも知れない。

 俺はステラに場所を聞いて、言った事のある近くの場所まで【転移】をする。

 その後は、【飛行】を使って移動をした。


 スーズイ村は、すぐに発見出来た。

 少し離れた場所で地上に降りてから、歩いてスーズイ村まで移動をする。


「村への挨拶等は、ステラに任せてもいいか?」

「その方が無難ですね。分かりました、貴方は余計な事を喋らないで下さいね」


 ステラが俺の前に出て歩く。

 俺とシロにクロは、その後ろを歩いていく。



「この村の村長は居られますか?」


 最初に発見した村人にステラは声を掛ける。

 村人が何かを言う前に、ステラは冒険者ギルドカードを提示していた。


「す、すぐに呼んで参ります」


 村人は走って、村長を呼びに行く。

 暫くして、村長と数人の男達が俺達の目の前に現れる。


「これは賢者ステラ様。この様な村に何か御用でしょうか?」


 突然のステラの訪問で、何かあったのか怯えているようにも見える。

 それは周囲に居る男達も同様だった。


「特別大した用事でもありません。この村にクレメンテとパトレシアという名の狐人族が居ますか?」

「はい、居ます。数日前に村に来た旅人ですが、彼等が何かしたのでしょうか?」

「いいえ。昔、少し世話になったので、近くに寄ったので久しぶりに話でもしようかと思っただけです」

「そうでしたか! では案内致しますので、どうぞ」


 村長は周りの男達に、クレメンテ達の所へ俺達を案内してくれる。



「クレメンテ居るか?」


 案内してくれた者が、滞在中に貸した家の扉を叩く。


「はい、何でしょうか?」


 扉を開けるとクレメンテが顔を出す。


「賢者様が、お話があるそうだ」

「そうですか」


 クレメンテは表情も変えなかった。


「久しぶりですね。中で話でも良いですか?」

「はい、どうぞ」


 

 案内してくれた男達に礼を言って、俺達は家の中へと入る。

 部屋の奥には女性が立っていた。彼女がパトレシアなのだろう。

 パトレシアの後ろには、小さな子供が隠れている。


「どうぞ、座って下さい」


 俺達に敵意は無いのか、殺気は感じない。

 しかし、殺気を隠している可能性もあるので、注意を怠る事は無く用心する。


「私はクレメンテ。彼女がパトレシアで、後ろが娘のテオドラになります」


 面識の無い俺達に対して、クレメンテは自分も含めて三人の紹介をする。

 ここまで動じる様子は全く無い。


「テオドラ、もう遅いので寝なさい。パトレシア頼む」

「はい。テオドラ、行きましょうか」

「はい……」


 パトレシアは、テオドラと呼ばれた女の子と一緒に、奥にある部屋へ歩いて行った。


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