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64話 鑑定士という職業-1!

「もう一つ、聞いても良いですか?」


 カンナが質問する。


「ん、何?」

「答えにくいのであれば、答えて頂かなくて結構なのですが【呪詛:言語制限】って何ですか?」


 あ~、それね。


 昔、呪術師と戦った際に死ぬ間際【呪術】を掛けられて、ある形式の言葉が使えなくなった。

 俺の場合だと敬語だ。

 だから友達口調でしか喋れない。


 嘘を交えながら説明をする。


「想像以上に苦労するんだぞ。 【解除】は【呪術】をかけた呪術者しか出来ないみたいだけど死んでるから、一生無理なんだよな」


 本当の事は言えない。


「そんな【呪詛】あるんですね、初めて聞きました。 でも呪いは【隠蔽】でも隠せませんので、注意が必要ですよ」


 そうなのか!

 【呪詛】は【隠蔽】でも隠せないのは知らなかったな。

 確かに、【呪詛】の種類によっては人に危害を加えるのもある。

 【呪詛:恩恵(ユニークスキル)の代償】は誰にも見られないと言っていたので大丈夫だが……


「【呪詛】を【解読】して貰って、問題無い事が証明できれば、『証明書』を発行してもらえます『証明書』があると旅の際に便利ですよ」


 そんな物まであるのか! それはありがたい。


「その証明書は、どこで発行してもらえるんだ?」

「そうですね、この辺りだと王都か、魔法都市になります」

「……この街では無理か」

「はい、残念ながら」


 その後、カンナから色々話を聞いた。

 当然だが、今迄俺が知らなかった事を教えてくれたのでとても興味深かった。


 カンナは『S級鑑定士』で、鑑定士は一年に二回ある『鑑定士試験』に受からないと名乗れないらしい。

 SSS級~C級まであり、各級で受験が出来るのは生涯三回までのようだ。

 確かに、自称『鑑定士』だと詐欺をする輩もいるだろう。


 『魔法士』や『剣士』等の試験も存在するが、冒険者ギルドでのランクの方が信頼度が高く、取得する意味があまり無い為、受験者も少ないらしい。

 試験マニア向けの試験なのか?


 カンナ自身も貧しい家庭の平民だったが、飢饉で村が寂れて口減らしの為、王都に住み込みで働きに出た。

 奉公先がたまたま鑑定士の所だったらしく、夜の空いた時間勉強をして『鑑定士試験』を受けて現在の『S級鑑定士』まで上り詰めたらしい。

 奉公先の鑑定士の事を、カンナは『師匠』と呼んでいた。


 師匠って言葉を聞くと、小学生ふたり組を思い出す……


 前世の俺も、ひとりで上京して就職した会社は大卒が多数の中、高卒という事を馬鹿にされたりもした。

 仕事以外の空いた時間で、より多くの資格を取る為に勉強をしていたので、カンナには好印象を抱いた。


 俺の苦労は報われなかったけど、苦労人は幸せになって欲しいな。


「タクトさんも、試験受けてみたらどうですか?」

「そうだな、気が向いたら受けてみるよ」

「タクトさんの【鑑定眼】のレベルは私と同じ位ですから、筆記さえ受かれば間違いなく実技は受かりますよ」

「ありがとう、因みに試験内容ってどんな感じだ?」


 鑑定士の試験レベルが、気になった。

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