表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

63/942

62話 商人ギルド昇級試験-3!

 時間にして二〇分程度か。

 トイレから試験場に戻ると、ロックスが笑いながら話し掛けてきた。


「棄権しますか? まぁ、『ドラゴンの髭』では仕方ありませんよ。ハハハハ!」


 この小馬鹿にした態度には、さすがに怒りを覚えた!


「おい、ロックス! うるせぇぞ、試験官が受験者を馬鹿にするのが、商人ギルドなのか!」


 脅しながら、目の前で【アイテムボックス】を使い『ドラゴンの髭』を三本出してロックスに投げつけた。

 既に【複製】で増やしてある。

 一本でも合格だが、力の差を見せ付ける為に、三本共投げつけてやった。


 いきなりで避けられずに、ドラゴンの髭の下敷きになる。


「これで、文句ねぇだろう!」


 下敷きにされたロックスが、驚いた顔をしている。


「……いったい何処で!」

「持っていたが、それよりもトイレに行きたかったんだよ!」

「……まだ、本物とは限りません」


 鑑定士が、その状態のまま鑑定を始める。


「ひっ!」


 鑑定士が悲鳴を上げた。


「やはり、偽物でしたか!」


 下敷きにされた状態でも、ご満悦な顔で俺をみる。


「いえ、本物です。しかも三本共、ドラゴン族最強と言われる『グランニールの髭』です」

「そんな、馬鹿な!」


 鑑定士の言葉で、ロックスの表情が一転する。


「ふふ、合格だな!」


 ローラが笑いながら言う。

 近くまで来て、小声で話す。


「しかし、本当にお前は面白い。研究材料としては申し分無いぞ!」


 それは、誉め言葉なのだろうか…

 そう言うと、首を捕まれ引き寄せられる。


「タクト、お前【転移魔法】を使ったな!」


 耳元で囁かれた。

 どうやら、シロの転移魔法に関しては計測器で調整終わっているが、俺の転移魔法では反応するようだ!


「はははっ!」


 誤魔化す事は出来ないので、笑うしかなかった。


「安心しろ、秘密にしておいてやる」


 完全に脅しだよな。

 ローラの玩具になるの嫌なんだが……。



「では、引っ越しの準備をしている間に、ギルドカードの発行を頼む」

「えっ、いやスグには」

「あれ? 出来ないのか!」


 脅しをかける。


「いえ、すぐに対応させて頂きます」


 ローラに部屋まで案内される。

 部屋の中は見事に散らかっている。

 研究者のイメージといえば、イメージ通りだが……。


「どこまでが持ち物だ?」

「これだけだ」


 トランクと二メートルほどの棚を指差していた。


「他は全てゴミだ!」


 やはり俺には理解出来ない人物だ。


 荷物を【アイテムボックス】にいれる。

 普通なら掃除していくのだが、ロックスへの嫌がらせも兼ねて、部屋はこのままにしておくことにした。


 受付に行くとロックスが立っていた。


 「こちらになります」


 ギルドカードを受け取った。

 ランクSだと金色なのか!

 なんか豪華だな!

 ランクSは、街の監査も出来るからあえて威厳のある色にしたのか?


「タクト様、御相談なのですが先程の『ドラゴンの髭』を、お売り頂くことは出来ないでしょうか?」


 希少価値の高いドラゴンの髭は、売れば莫大な金になるのは分かっている。

 しかもグランニールともなれば、一攫千金も夢でない。


「駄目だ!」

「そこをなんとか!」

「ロックス、お前しつこいぞ!」


 ロックスは何か言いたそうだったが、俺が言わせない雰囲気にした。


「おい、行くぞ」


 扉の前に居るローラに急かされる。


「いつまでギルマスで居られるかは、俺次第って事を忘れるなよ!」


最後に、ロックスを脅しておく。


「……はい」


「じゃあな!」


 帰る挨拶をして、商人ギルドを後にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ