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55話 妹属性発動!

 あっ!

 シキブの動作で思い出した。

 シロの転移魔法か!

 しかし、クロの影移動かもしれない。

 先程の失敗もあるので、確実で無いとリスクが大きすぎる。


「試験場は、今空いているか?」


 イリアに問いかける。


「はい、この時間は予定がありませんので、空いているかと思います」

「その乱れにもう一つ心当たりがあるが、確認の為に試験場で使う。 その際に計測器で確認してくれ?」


 イリアに試験場のカギを開けてもらい、不正が無いように同席してもらう。

 シロやクロの事は、秘密にするつもりは元々無い。

 それは特殊な魔獣と分かった今でも同じだ。


「シロ、おいで!」


 何処に向かってというわけでもないがシロを呼ぶ。

 頭上から現れた瞬間に、ギルマスの部屋からアラームらしき音が聞こえる。


 これで、シロの転移魔法だと確信が取れた。

 目の前のシロを抱きかかえる。


「ありがとう。 戻るか」


 イリアに声を掛けるが、魂の抜けたかのように腰を抜かして倒れこんでいる。


「イリア、大丈夫か?」


 俺の声で、魂が戻って来たのか。


「……すいません、大丈夫です」


 立ち上がったが、なにやらモジモジとしている。

 いつものイリアらしくない。


「調子が悪いのか?」


 心配で声を掛ける。


「いえ、その抱えていらっしゃるのは、もしかしてエターナルキャット様ですか?」

「あぁ、そうだ。 よく知っているな」

「当たり前です! 『猫系獣人』の伝説的なお方です。 試験の時から気になっていましたが、まさかこの目で見られるとは!」

 なるほど、試験の時の観察するような視線は、シロに向けてか。

 シロは猫科の獣人達からは伝説として語られているんだな。

 ……ん? 猫系獣人?


「シロ、もしかして人の姿に変化する事可能?」

「はい、可能です。 移動する上で、こちらの方が都合が良いかと思いクロさんと話し合って、この姿でおります。 人の姿が希望ですか?」


 ……クロも変化出来るの?

 伝説級の魔獣って凄いんだ。

 聖獣とも言われているのも、こういう理由からか?


「とりあえず、一回変化してみてくれる」

「はい、承知しました」


 一瞬眩い光に包まれて、猫耳少女が姿を現した。

 透き通るような白い肌に、髪はピンク色のツインテール。

 二本の尻尾は可愛く動いている。


「数百年ぶりですので、恥ずかしいですね?」


 照れている。

 前世ではそれ程興味も無く、いままでも何人か猫耳は見ているが、段違いに可愛い!


「御主人様の要求に近い姿にはなりましたが、あまりジロジロ見られるのは恥ずかしいです」

「あっ、スマン」


 俺に秘められた欲求の姿がこれって事なのか? ……妹属性とはこういう事か!


 トントンと、背後からイリアが肩を叩いてきた。


「シロ様と、握手させて頂いても良いでしょうか?」


 その目は、キラキラと輝かせて夢中のアイドルにでもあったかの様子だ!


「シロ、いい?」

「はい、喜んで!」


 笑顔で答える。

 この笑顔で、オタクを数十人は倒せる。


 イリアは震えながら、握手をする。

 イリアへのサービスのつもりなのか、握手後にハグをするとイリアは昇天した。


「シロ、あとで呼ぶからここで待っててくれる」

「はい」


 シロを残して、イリアを抱えて部屋を出る。

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