48話 冒険者のギルドランク!
ムラサキがイリアを連れて戻って来た。
イリアは【猫人族】で、受付の責任者のようだ。
猫耳と尻尾が目に付く。
何故か、目線が怖いというか観察されるように見られる。
冒険者ギルドって、攻撃的なのか?
「はじめまして。 このギルドで受付長兼、試験官をさせて頂いているイリアと申します」
丁寧な挨拶の後、冒険者ギルドのランクと昇進試験について説明をしてくれた。
説明も上手で解りやすい。
・ランクアップは一つづつ
・ランクDより、筆記試験有。
・ランクBより、面接官による対戦方式での能力確認。
・ランクA以上は、特定都市での昇級試験。
ギルマスの紹介状が必要、ジークは特定都市では無い。
・試験内容は毎回異なる。
・ランクB~Fの昇級試験は、随時行われる。
数点気になる箇所があったので、説明が一通り終わった段階で、
「質問していいか?」
「はい、何でしょうか?」
「ランクアップは、一日に何回でも可能か?」
「はい、現実的ではありませんが理論上は可能です」
「ランクとレベルは、あまり関係が無いのか?」
「そうですね。 関係無いと言えばそうですが、上位ランクになればなるほど厳しいので、必然的にレベル値が決まります」
「昇級試験のモンスターは核を持っていればOKか?」
「はい、過去に討伐したのであれば問題ありません。 但し、こちらで本人が討伐したかは鑑定スキルによって確認致します」
「それは、パーティーでの討伐でもOKということか?」
「はい、その通りです」
パーティー討伐がOKであれば、金を積み強い冒険者を雇えば、実力が無くてもランクアップが出来るというわけか……
面接官の対戦は、不正をある程度防止する為と言う事か。
まぁ、それでも不正は無くならないだろうけど……
「……なるほど、今からランクFの昇級試験は受けれるか?」
「えっ、今からですか!」
「あぁ、出来れば今日中にランクBまでになりたいと思っている」
イリアは呆れた顔をしている。
その横でムラサキがゲラゲラと笑い、
「タクト、お前本当に可笑しな奴だな。 気に入ったぜ!」
シキブの方を見て、呆れているのか大きくため息をして頷く、
「イリア、すぐにランクBまでの昇級試験の準備をしろ。 ランクBの実技試験官は俺がやる!」
イリアは呆気に取られていたが職務を思い出し、
「はい、早速準備致します」
更にムラサキは、
「あと、下の連中に面白れぇのが見れるから暇な奴は、試験会場に集合しろと言っておいてくれ!」
おいおい、公開試験か。
そんな特別待遇全然お断りなんですが……
ムラサキの方を見ると、グッジョブと言わんばかりに親指を出した拳を俺の方に出した。




