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42話 いざ、冒険者ギルドへ!

 ギルド会館はすぐに分かった。

 大きな建物に、冒険者ギルドのマークらしきものが看板として飾ってある。

 明らかに冒険者らしき格好をしている者達が、出入りしている。

 入口を開けて中に入ると、強面の集団がこちらを見ている。

 冒険者ギルドって、もう少しフレンドリーな感じかと思っていたが……。

 受付まで行き、バニーガール姿の受付嬢の女性に声を掛ける。


「冒険者登録したいのだが」

「はい、どなたがされますか?」

「俺だけど?」

「村人では無いんですか?」

「一応、冒険者志望だ!」

「……失礼しました。ではこちらの用紙に必要事項記入後に、お持ちください」


 申し込み用紙を貰い、邪魔にならないように横へ移動して記入をする。

 受付嬢はその後も、色々な冒険者の対応をしている。

 とても迅速で的確な対応だ。

 胸にネームプレートには「ユカリ」と書かれている。

 アクセサリーかと思われた耳は本物の様で、尻尾もある。『兎人族』のようだ。

 『獣人』が普通に働いている状況が珍しかったが、この街に入ってから様々な獣人を見ることは出来た。

 上手い事、共存共栄出来ているのだろう。


 必要事項を記入したが、嘘は書けないのでメイン職業欄は『無職』だ。

 サブ職業欄もすべて『無職』

 ……悲しい。

 自分で記入しておいて何だが、かなり怪しい書類になっている。


「これで良いか?」


 ユカリに申し込み用紙を渡す。


「はい、ありがとうございます」


 笑顔で受け取り、記入内容を確認していると明らかに不信な態度になっている。

 まぁ、そうなるだろうな。


「え~、職業は全て『無職』で間違いありませんか?」

「……あぁ」

「レベルですが『三二』と書かれていますが、こちらも間違い御座いませんか?」

「あぁ、間違いない」


 周りからは、話を聞いていた冒険者達が、好き勝手な事を話していた。


「レベル三二だってよ! あの格好でありえないよな!」

「嘘つくなら、もっとうまくやれば良いのに」

「しかも無職だって!」

「村人の服装ってなんだよ!」


 完全な虚言者扱いになっている。

 この状況になる事は、ある程度分かっていた。

 しかし、このまま引き下がるわけにも行かない。

 冒険者登録の有無は、俺の今後を大きく左右するからだ!


「信じて貰えないのは構わないが、信じて貰うにはどうすればいい?」


 ユカリは面倒臭い奴が来た! と一瞬顔が引きつったが、すぐに営業スマイルに戻り、


「ギルマスに確認してきますので、少々お待ちいただけますか?」

「頼む!」


 出来ればステータスは見せたくない。

 正確にはスキルを見せたくはない。

 しかし冒険者登録は必須だ。

 問題は、落とし所を何処にするかだ。

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