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407話 初日の会談内容!

 三国会談の初日が終わり、晩餐会へと移行する。

 晩餐会は参加者が限定される。

 国の重要な人物達のみの参加になる為、ルーカスとイースそしてユキノの三人での参加となる。

 ルーカス達の護衛は、護衛三人衆の担当になる。


 大臣二人は、明日に向けて資料の確認や今日の内容を纏める作業があるらしい。

 俺は大臣と、ビアーノ達料理人の護衛になるので、晩餐会は不参加だ。

 と言っても、ビアーノ達料理人はエルドラード王国に戻っているので、結局は大臣二人の護衛になる。

 今日の夕食担当国は、シャレーゼ国らしいので料理を見てみたかったが残念だ。


 大臣のジャジーとメントラが、忙しそうに書類やら先程までの会談の議事を纏めていた。

 邪魔しても悪いので、視界に入らないように部屋の隅にある机で、この世界に居る魔獣の名前と、生息地域を書き出していた。

 部屋には【結界】を張っているので、何人たりとも進入する事は出来ない。

 ユキノには部屋に戻る時に連絡するように伝えてあるので、ユキノから連絡があるまでは、部屋を開けるつもりは無い。


 大臣二人の食事はエルドラード王国が用意する為、事前にビアーノから預かって【アイテムボックス】に仕舞ってある。

 頃合を見て、中央の机に食事の用意をして、ジャジーとメントラを呼ぶ。

 俺も同じように食事をする。


「話せる範囲で良いが、会談はどうだった?」

「そうですね。ロード誕生についての仮説に、シャレーゼ国が烈火の如く反論してきました」

「何を、そんなに怒るようなことがあるんだ?」

「そうなんですよ。私達もオーフェン帝国側も、何をそんなに怒っているのか、理解が出来ませんでした」

「人族には、有益な情報なのにな」

「はい。信憑性の低い仮説だと言っていましたし……」


 あくまでの仮説という発表になるが、実際は間違いない情報だ。

 仮説で、世論を惑わす事を嫌っているのだろうか?


「それに、シャレーゼ国の国王である『ウーンダイ』様の雰囲気が、以前にお会いした時と比べて違うというか……」


 ジャジーが話すと、メントラもジャジーに同じ印象を持ったと話した。


「そんなに違うのか?」

「はい、以前も高圧的な感じではありましたが、今は争いを辞さない感じで発言されていた印象を受けました」

「そうです。それに大臣達も同じように、意見を聞くというよりは自分の意見を話すので、会談という感じでもありませんでした」


 ジャジーとメントラは不思議だと口を揃える。


「シャレーゼ国は、切羽詰った状況なのか?」


 以前に貧富の差が激しい事と、表立った貿易をしていない事を聞いていたので、国内状況がかなり悪い印象を受ける。


「そうですね。気になったのが、今回、ウーンダイ様は王妃様を同行されておらず、第三王子である『タッカール』様のみ同行されております」

「今迄もそうなのか?」

「いえ、今迄であれば必ず王妃様と、第一王子の『ネイラート』様が一緒でした」

「今回、同行していない理由は聞いたのか?」

「はい。体調が優れないという事でした」

「元々、体が弱かったのか?」

「いいえ。そのような事は、御聞きした事は御座いません」

「第二王子も同じ理由なのか?」

「第二王子の『ラボット』様は、既にお亡くなりになられております」

「……病気でか?」

「はい、昨年に流行病で亡くなったと聞いております」


 何となくだが、きな臭い感じがする。

 しかし、他国の事なので干渉する事も出来ないし、するつもりも無い。

 そもそもが、俺の問題の多くはガルプの負の遺産が関係しているので、ガルプには嫌悪感しかない。

 そのガルプを崇拝してるガルプ教がある国と言うだけで、どうしても色眼鏡で見てしまう。


「明日も大変そうだな。頑張ってくれ」


 ジャジーとメントラを鼓舞する。


「そうですね。国が不利益にならないように頑張ります」


 メントラは、そう言うと残っていた料理を口に入れて仕事に戻る。

 先を越されたかのように、ジャジーも急いで食事を口に入れるが、咽込んで苦しんでいた。


「慌てずに食べろよ」


 水で食事を流し込むと「大丈夫です」と言い、急いで食事を平らげて、メントラの後を追うように仕事に戻った。

 俺は、食事の後片付けをして、引き続き魔獣の情報を纏める作業をする。

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