37話 お手軽な漁の方法!
「あれって、クロの親戚になるのか?」
川の畔にある樹に、茶色っぽい鳥の魔物達がいるので聞いてみた。
「いいえ、違います。あれは、ブルックバードですね。比較的倒しやすい鳥系魔物です。ただ集団で襲ってくると厄介です」
鳥系の魔物というか、空中系の魔物とはまだ戦ったことが無いな。
腕試しに戦ってみるのもいいかも知れないな。
「御主人様、囲まれたようです」
先程、見ていたブルックバードは極一部で、その他で完全包囲されていた。
ざっと、五〇羽位か?
さてどうしたものか……。
それより、【危険探知】が作動していないのは、危険と判断していないからか?
クロを空中で状況確認をさせて、俺とシロとの魔法攻撃で倒すか。
三羽がこちらに突撃してきた。
俺が【火弓】を撃とうとすると、
「駄目です。水属性を持つ魔物ですので火系魔法は効果が薄いです」
「えっ! あれ水属性なの?」
シロの忠告を受けて、【雷撃】を撃とうとするが、攻撃に間に合わずブルックバードの攻撃をまともに受けた。
「御主人様!」
シロが心配してくれたが、全然痛くない。
これが【身体強化】と【物理攻撃半減】の効果か!
「心配してくれてありがとう、全然大丈夫だ!」
笑いながら答える。
これなら、一斉に来ても対処出来るな!
「シロ、ちょっと離れててくれ! 試したい攻撃がある」
シロから距離を取り、無防備にしていると次々とブルックバードが襲い掛かってくる。
クチバシやツメで攻撃を受けるもダメージは殆ど無い。
ある程度数が集まっていた所で、【雷撃】を出して自分を攻撃する。
俺の身体に当たる前に反射して、攻撃していたブルックバードたちが一気に感電した。
【魔法反射(二倍)】は自虐行為をしても通用する。
攻撃者に反射する為、俺の周囲で魔法が発動される事になる。
【魔法威力増加(一〇倍)】なので、実際は通常の二〇倍のダメージを与える事が出来る。
攻撃していなかった数匹のブルックバードも、勝てないと判断したのか、その場を去っていった。
ブルックバードの死体を、俺は食料になるかも知れないと思い、そのままアイテムボックスに入れた。
この攻撃が可能ならもしかして……。
俺は【危険探知】が鳴らないのを確認しながら、腰位の位置まで川に浸かり【雷撃】を、先程と同じように使った。
俺の周りにいた魚が気絶をして、次々と腹を上に向けて浮かんできた。
中には死んでいる魚も居るが……。
狙い通りだ! これで簡単に魚を取ることが出来る。
クロに、浮かんできた魚を回収して貰い、アイテムボックスに入れる。