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35話 リザードマン!

 ゴンド村を出てから、二日が過ぎた。

 何匹かの魔物と戦闘はあるものの順調だ。

 出会った魔物のスキルをすぐに振り分けて、ユニークスキルとの交換用スキルのストックにする。

 分かっていたが、【呪詛:恩恵の代償】は鬼畜過ぎる。


 シロやクロにこの世界の事を色々と教わった。

 【全知全能】に聞いた方が早い事もある。

 しかし、会話を含めて他の情報も得る事が出来て、幅広く情報が聞ける為会話を選択している。

 なにより、シロとクロとの会話が楽しいというのもある。


 まず『ネーム付』だが、魔物にも仲間内で呼ぶ『通称』というものがある。

 これは『あだ名』のようなもので正式な名前では無いらしい。

 『ネーム付』は主従関係が正式契約した場合の魔物で、主側の身体に紋章が刻まれ、従者には何かしらの証が現れる。


「俺に、紋章なんてあったか?」


 気にした事がなかったが、あれば気付くはずだ。


「私の紋章が、右肩後ろに御座います」

「私のは、左肩後ろですよ」


 背中か、鏡で背中なんてこの世界にきて確認していないから、気が付かない訳だ。


 シロとクロが新しい能力を幾つか習得した。

 二匹共、基本能力が大幅に上昇している。

 アルとネロのユニークスキルを習得したことによる影響だろう。

 

 クロは、影の中に隠れる事が出来て影の中をある程度の範囲であれば移動可能だ。

 また、嘘を見抜く能力も身につけた。

 話す者の態度や、言葉から感じとれる様だ。


 シロも、【転移】で俺の所まですぐ来られる。

 しかも、他空間に留まることも出来るらしく、転移する途中で待機も可能だ。

 五大属性の基本魔法と組み合わせた魔法も使用可能だ。


 ユニークスキルを習得したことによる効果は大きい。

 俺がユニークスキルを習得すれば、二匹も強くなる。

 通常スキルと寿命を犠牲にしながら、ユニークスキルの習得をしていこう。

 しかし、アルに指摘されて恩恵と言わずにユニークスキルというのにはまだ抵抗がある。

 最初に慣れ親しんだ言葉のほうが、しっくりくる。


 川の畔で休憩をしていると、川の中から魔物が出て来た。

 『リザードマン』だ。

 リザードマンといえば、魔物の中でも知能は高い方の種族だ。

 向こうもこちらに気が付き、とっさに戦闘態勢に入った。

 その動作で、遅れてこちらも戦闘態勢に入る。


「主、御待ち下さい」


 クロが止めに入り、リザードマンに話しかける。


「コギア、私が分かるか?」


 クロの顔見知りか?


「……お前、ガルプワンか?」


 ガルプワン? ガルプの一番目の眷族だったからか?

 俺以上にネーミングセンスが無いな。

 あとで、クロに聞いてみよう。


「そうだ。今は、クロという名を頂いている。これからはクロと呼んでくれ」

「分かった。 そうすると後ろの人間族が主人か?」

「その通り、我が主タクト様だ」


 リザードマンは『コギア』と言い、ここから随分離れた集落からある目的で旅をしている。


「何、アルシオーネ様の師匠だと!」


 クロが俺をアルの師匠だと紹介した。

 まぁ、魔王の師匠だから驚くのは当然だ。


「信じられん。あのアルシオーネ様が誰かの下に就くなんて……」


 師弟関係とはいえ別に、上下関係は無いんだけど……。

 コギアは思い出したように、


「もしや、アルシオーネ様とネロ様に勝利した噂の!」


 俺って、噂になっているんだ。


「タクト様! 御無礼は承知の上で、お聞きしたい事が御座います」


 面倒事は御免なんだが……。

 しかし、蜥蜴人でなくリザードマンと呼ばれているのか気になる。

 そうえいば、ドラゴンも龍では無かった。

 【全知全能】に確認をすると俺に馴染みのある呼び名に変換してくれるようだ。

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