324話 スケルトン一行!
部屋を出ると、御丁寧にマミー達が出迎えてくれた。
もしかして、ずっと待っていたのか?
但し、先程とは違い体に巻きついた布を鞭のように使い、俺に攻撃を仕掛けてきた。
とりあえず攻撃を避けながら、マミー達を撮影する。
アンデッド系には火系の攻撃が有効なので、【炎波】を使い一気に焼き払う。
身体に巻いている布のせいか、火のまわりは早い。
俺はそのままマミー達を放置して、ゾンビウルフの所に引き返して撮影に行く。
針に刺さっているゾンビウルフ一体を【転送】で上に戻して撮影する。
全体と顔の辺りを数枚撮る。
撮り終えると、剣山の落とし穴にもう一度蹴落とす。
落とし穴の中をよく見てみると、ゾンビウルフの数が少なくなっている事に気が付いた。
……どういうことだ?
落とし穴から脱出出来るような高さでもないし、横穴がある訳でもない。
別の仕掛けがなにかあると考えるほうが納得出来る。
仮にも最古参魔王のひとりロッソのダンジョンだから、一筋縄ではいかないのは分かっている。
マミー達と戦闘していた場所が静かになるので戻ると、マミー達の数が数体しか無い。
焼けたとはいえ、ここまで数が減るのは明らかに異常だ。
【解体】してみると、核と布しか残らなかった。
仕方ないので、戦利品である核と布を【アイテムボックス】に仕舞う。
そのまま奥に進んでいくが、行き止まりだったので仕方なく引き返すことにする。
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この階の最初の場所まで戻り、今度は真ん中の道を選択して進む事にする。
先程の道以上に暗い為、【光球】を強めにして使い辺りを照らしながら進む。
細い道を罠に警戒していると、上から何か落ちてきて肩に乗ったので手で摘んでみる。
見た目はヒルのようだがスライムのようにも見える。
【神眼】で鑑定すると『ヒルスライム』だった。
獲物から『HP』『MP』等を気付かれないように吸い続けて一定量吸うと分裂を行う。
大量のヒルスライムに吸われて動けなくなるが最後、死ぬまで栄養分として吸われ続けてしまう。
俺の身体にも気付かない間に数匹のヒルスライムが引っ付いていた。
【雷撃】を自分に使い、身体に付いていたヒルスライムを全て感電させて落として、撮影する。
その後、核を破壊する。
数分歩いては【雷撃】を使うという作業を、何回も繰り返していたが面倒臭い。
ステータスを確認するが、それ程『HP』『MP』共に減っていなかったので、次に別の敵に会うまでこのままでいる事にした。
道が一気に細くなり、俺ひとり通れるくらいの幅しかない為、左右に逃げ道も無い。
その道の先から一本の矢が飛んでくる。
俺はそれを手で掴むが、その後も連射で矢が飛んできた。
弓の届く距離なのでそれ程、距離があるとは考えにくいので、そのまま走って突っ込み手で弾いていく。
道が広がった先には、『スケルトンアーチャー』『スケルトンナイト』の大群が居た。
「おぉ、さっき撮り忘れたスケルトンナイトが撮れるな」
まさか、もう一度スケルトンナイトが登場するとは思っていなかったので、嬉しい。
とりあえず、攻撃を避けながら撮影する事にする。
【転移】を使いながら撮影を行えばそれ程、危険を感じない。
撮影が完了したので、討伐をすることにするが、スケルトン系は【転送】で簡単に討伐出来る。
まず、【風刃】である程度切り刻む。
スケルトンアーチャーには【炎波】で弓矢を焼き使えないようにしておく。
その後、青白い眼である核を睨むと同時に【転送】を使い、少しずつ数を減らしていく。
全てのスケルトンナイトとスケルトンアーチャーを倒すと、ここまでの来た細い道が塞がれた。
なにかの魔法なのだろうか?
奥の岩が崩れると三メートル程のスケルトンが姿を現す。
……生前は、一体何の骨なんだ?
【神眼】だと『スケルトンキング』と出ている。
スケルトンキングとはいえ、右手に剣、左手には盾を持っている。
確かに攻撃力は上がっているが只、大きいだけで核は青白く光っている目だという事は分かっているので、目を見つめると同時に【転送】を使い、手元に核を移動させる。
核を失い活動を停止したスケルトンキングは、大きな音と同時に崩れ落ちた。




