表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

200/942

199話 領主ダウザーの本性!

 来たついでに宣伝も兼ねて、ダウザー達家族の写真を撮った。

 【転写】は、ジークに戻った際に、フランに依頼する。


 【アイテムボックス】の存在は、ミクルには知られているので、信用できるダウザー達にも隠さずにいた。


「タクト、お前本当に人間か?」

「さっきも言ったが、人間だ」

「あぁ……ところで、ミクルと遊んでいる少女は誰だ?」

「俺の仲間のシロだ」


 シロを呼び、ダウザーに挨拶をさせる。

 シロがエターナルキャットだと知ると驚いていた。

 因みにクロが、パーガトリークロウだと教えてやると、俺を「何者?」と言った顔で見つめた。


 ダウザーが着替えている間に、シキブと連絡を取る。


「どうしたの?」

「今、魔法都市に居るんだが、ついでに冒険者の昇級試験受けようと思うから、紹介状書いてくれ」

「……ついでって、簡単に言うわね。 それでどこまでの昇級試験を受ける気でいるのよ」

「そんなもん、受けられる一番上のSに決まっているだろう! SSからは王都でしか無理だと聞いてるから仕方ない」

「……分かってはいたけど、相変わらずよね」


 シキブは用意しておくので、何時でも取りに来るように言ってくれた。



「ダウザーは、お忍びで出歩いているのか?」


 ミラに質問をしてみる。


「昔は、頻繁に街へ出歩いていましたね。 領主になってからや、姉上が国王様に嫁いでからは周囲の目が厳しくなってしまいましたので……」


 どこか悲しそうに話してくれた。


「領主になりたくない、反抗ばかりする青年だったのか?」

「その通りですね」


 よく物語に出てくる好奇心旺盛な王子といった感じだな。


 リロイには、ミラやミクルも会いたいというので、後で話がある事を伝えると「待っています」と返事を貰う。

 連絡を切ってから、ダウザー達の事を伝え忘れて居たがサプライズだと自分に言い聞かせて、そのままにする。


「どうだ、これで領主には見えないだろう!」


 着替えてきたダウザーの姿は、冒険者そのもの姿だった。


「似合っているな」

「だろう!」


 返す言葉もからも上機嫌なのが分かる。


「早く行くぞ!」


 急かされるので、『四葉商会』の店舗内にある俺の部屋に、転移する事を伝える。


「転移魔法は、便利だな」


 羨ましそうに俺の顔を見るので、笑う。


「先に行って来る」


 ダウザーがミラとミクルへの挨拶を終えると、俺達は【転移】をした。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 到着と同時に【結界】が破壊された。


 ……また、やってしまったと反省をする。

 ライラに、後で謝っておかなければならない。


 ダウザーは、【転移】を実感して興奮している。

 ライラが、俺の部屋まで来るが見知らぬ男といる為、少し警戒をする。


「心配しなくていい、ミクルのオヤジだ」

「お嬢ちゃん、よろしくな!」


 ……ダウザー、キャラ変わっていないか?


「あっ、はい」


 恥ずかしそうに返事をする。


「ゴメンな、又【結界】壊して」

「いいよ。 壊れるのがお兄ちゃんが戻ってきた合図になっているし……」


 ライラは優しい言葉を掛けてくれるが、それでは本来の防犯の意味をなしていない事になってしまう。


「店は忙しいか?」

「忙しいですよ」


 嬉しそうに笑う。


 一階に下りて行くと、俺を見つけたマリーが何か言おうとするが、隣にダウザーが居るのが分かり普通に対応してくれた。


「問題でもあったのか?」

「えぇ、例のウェディングドレスが好評で、売ってくれって人まで現れているのよ」

「ん~嬉しい誤算だな。 まぁ、販売はしておりませんで通しておいてくれ」

「そうね。 ところでお隣の男性は、どちら様ですか?」

「ミクルのオヤジだ」

「あっ、ミクルちゃんのお父様でしたか……って、ルンデ」


 全部言う前に、マリーの口を塞いだ。


「お忍びで来ているから、内密に頼む」


 マリーは口を塞がれているので、頭を上下させて了解した事を俺に伝えた。


「失礼致しました。 当店の店主マリーと申します」


 ダウザーに挨拶をした。


「そんなに畏まらなくていい。 今はただの冒険者だ。 それより……」


 ダウザーは、ウェディングドレスが気になったようなので、カタログやドレス等を見せてやった。


「新聞で見たよりも綺麗だな! しかも写真も素晴らしい! 俺達も、もう一度撮ってくれ!」

「あとで、ミクルと一緒に撮ってやるよ!」

「約束だからな!」

「あぁ、それよりもそれが本性か?」


 キャラ変更したダウザーに確認を取る。


「そうだ、これが本来の俺だ。 領主と言うのは堅苦しくてイカン」

「俺も、そっちの方が好きだぞ!」

「だろう!」


 楽しそうに話す俺達に、マリーが、


「申し訳御座いませんが聞き間違いでなければ、ルンデンブルク様御家族が当店に来られるという事ですか?」

「あぁ、そうだ。あとで来る事になっている。 時間外になるのがその分、追加で料金を支払うので頼む」

「タクト、そう言う事じゃないの! こんな店に国の偉い方達が来るのよ!」

「誰が来ても、やる事は同じだろ?」


 俺達のやり取りを、ダウザーは笑いながら聞いている。


「これ、フランに【転写】頼んでくれ。 それと今の件は、従業員以外には絶対言うなよ!」

「……そんな事、当たり前でしょう!」


 仕事中のユイに「お疲れ様!」と声を掛けて、ギルド会館に行く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ