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154話 スラム購入契約!

「タクト様、お待ちしておりました」


 ツムリが笑顔で待っていた。

 領主の屋敷に、スラム購入の件で訪れていた。


「あぁ、購入したいと考えているが、もう少し安くならないか?」

「これ以上は、難しいですね」

「そうか、仕方ないな」

「受け渡しは、更地なのか?」

「いえ、現状渡しになります」

「そこから出てくる物は、俺の権利で好きにしていいという事でいいんだな?」

「はい、その通りで御座います」


 一通り契約書を確認する。

 契約書内に、建物の関しては別途所有権があると記載があった。


「この、別途所有権てなんだ?」

「それは、土地と家とで別々に権利があるという事です。 土地を借用して家を建てたとしても土地の持主が借用契約を破棄したら、一年以内には更地にして返却するという事です」

「そうであれば、今回土地を購入すると話をしていたので、家は別じゃあ無いのか?」

「……たしかに、そうですね。 あそこは特別な場所ですので、私も家と土地で話を進めていました」

「実際、家としては価値が無いに等しいだろ?」

「はい。 こちらとしても、早くあの場所は売りたいと思っておりますので、解体費分を差し引かせていただきます」


 ツムリは計算を始めた。

 どんな算出方法で計算しているのかが、全く分からない。


「そうですね、ざっと金貨一〇〇万枚として、補助金の半額を差し引くと……」

「金貨一〇〇万枚か?」

「……ちょっと待ってください。 ……はい、その通りです」

「契約内容を簡単に確認すると、俺は金貨一〇〇万枚であの土地を家を購入するという事でいいんだな?」

「はい」


 なんか、思っていたより全然安いぞ。 この領地の財政大丈夫なのか?


「分かった。 購入する」

「ありがとうございます」


 購入契約をして、今月分の支払いを済ませる。

 これで、あの土地と家は俺達の物になった。


「スラムの住人達には、気を付けて下さいね」


 ツムリは忠告してくれた。


「あぁ、特に問題は無い。 解体とかの作業はもうしてもいいのか?」

「はい、いつでも大丈夫ですよ」



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 スラムの購入契約を済ませた後に、【隠密】でハーセミッツ達の行動を監視していた。

 監視しているが、下世話な話で盛り上がっているだけで暇だ。

 もう帰ろうかと悩んでいると、ゾリアスがハーセミッツの所に来た。


「俺達は明日、ここを出て行く」

「そうか、それは寂しいな。 寂しくて、涙が出てくるぜ!」

「今夜、交渉する者が来るから好きに交渉しろ!」

「あぁ、俺達の好きにやらしてもらう」

「……用件はそれだけだ」

「はいはい、ご苦労様~」


 ゾリアスを小馬鹿にしながらも、交渉が今夜だと聞くと、上機嫌だった。


「おい、奴隷商人と連絡取っておけよ」

「あぁ、これで誘拐して金儲けも出来る」

「しかし、親分も凄いですよね。 街の奴を誘拐して奴隷商人に売るなんて」

「バカ! 頭が回るっていうんだよ」


 会話からもクズなのがよく分かった。


「前の領主の野郎は、協力していたのに俺達までも殺そうとしていたからな!」

「そうだぜ! 口封じのつもりだったんだろうがな」


 コイツ等、前領主とも裏の関係があったのか!


「それと、リストを送るようにも言っておけよ」

「そうだな。 報酬が全然違うからな」

「これで、明日からは楽しい日々が戻ってくるぜ」

「そうですね! 俺も早く女を誘拐したいぜ!」

「焦るなって! 明日からは俺達の天下だから、何でもやりたい放題なんだぜ!」


 一斉に笑い始めた。


 リストってなんだ?

 強奪品の高価買取リストか?


 話している内容は、よく分からないがコイツ等には、今迄重ねてきた罪を償ってもらう事にする。

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