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151話 決意と改名!

 朝起きて、二階に行くとユラとフランが、朝食を作っていた。


 服はフランに借りたのか、胸がキツそうだがそこには触れない事にした。


「ユラ、眠れたか?」

「はい、ありがとうございます」


 恥ずかしいのか、顔が赤い。


 先に朝食を食べていたマリーが、


「タクトにお願いがあるそうよ!」

「俺に?」

「えぇ、私たちは反対したんだけどね……」


 ユラは恥ずかしそうに、ユラと言う名前を捨てて、新しい名前で人生をやり直したいと言ってきた。


「別にいいんじゃないか?」

「それで、名前を付けてもらえないかと……」

「俺にか?」

「はい、タクト様に助けて頂いた命ですので……」


 マリー達が反対していたのは、俺のネーミングセンスか!

 しかし、シロとクロだけで、ネーミングセンスが無いと思われるのも癪だな。

 それとも、俺が名付ける事自体に反対したのか?


「それは分かったが、俺を呼ぶときに『様』は無しだ!」

「いえ、でも……」


 下を向いてしまった。


「ほら、タクトのせいよ」

「いや、お前達だってそうしてきただろう!」

「私達だって、苦労したのよ!」

「……そうなのか?」

「そうよ!」


 全然、そんな感じしなかったが……


「分かった、慣れるまでは『さん』付でいいから!」

「ありがとうございます。 タクトさん」


 嬉しそうに俺を呼ぶ。


「しかし、名前か……ユラだったから、まったく変わるのも違和感があるよな」


 暫く考えたが、馴染みのある日本名の名前しか出てこない。


「ユイでどうだ?」

「タクトにしては、まともな名前ね」


 マリーは、俺を褒めているのか貶しているのか分からない。


「ユイ。 ……ありがとうございます」


 ユラはユイと言う名前を気に入ってくれたようだ。


「まだ、あるんでしょ!」


 マリーがユイに話しかける。


「はい。 出来れば、こちらでお手伝いさせて頂きたいと思いまして……」

「手伝い?」


 ユイは、治してもらったお礼を自分なりに一晩考えていた。

 フランや、マリーにも相談して出した答えが、四葉商会を手伝うことらしい。


「マリーは、どう考えているんだ?」

「人手不足なのは事実だし、ユラじゃなかったユイも悪い子じゃなさそうなので、問題ないわよ」

「分かった。 ユイ! 店長が採用と言ったので、手伝いでなく住込み従業員だ。 報酬はマリーと決めてくれ!」

「ちょっと、タクト!」

「マリーに負担掛けて悪いが、信用しているから頼んだぞ!」

「……あいかわらず、卑怯ね!」

「そんなことないぞ、お前とフランの報酬の見直しも考えているから、良い経営者だぞ!」


 マリーとフランは、「何言っているんだコイツ!」と冷めた目で俺を見つめていた。



 朝食を食べ終えて、マリーとフランに今日からの営業について再確認する。

 基本、軌道に乗るまでは50組前後での対応。

 写真撮影の予約は、余裕を持って取る事。

 今日からは、昼の休憩時間を設けてその間は営業しない事を伝えた。


『ブライダル・リーフ』は、マリーとフランに任せておけば大丈夫だろう。


今後は、フランへの負担が大きくなる為、対策が必要だが何も思いつかない。

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