135話 ブライダル・リーフ!
朝から外が騒がしい。
そう今日は、四葉商会としてオープンの日だ。
店の名前は『ブライダル・リーフ』とした。
名前を聞いても意味が分からないらしいので、『ブライダル』は結婚式という意味と、『リーフ』は『葉』の意味があるとマリー達には教えた。
ブライダルと、ウェディングの違いが分からなかったので、響きの良いブライダルにした。
エクシズでは、『葉』をリーフという呼び名をしていないので、違和感があるのだろう。
マリーやフラン達にしてみれば、完全に異国の言葉になる。
その為、よく分からないが俺が決めたのなら良いというので、強引だがこの店名に決定した。
ネーミングセンスを疑われていたが、無視していた。
開店二時間前だが、すでに長蛇の列だ。
既に五〇人(二五組)は超えているだろう。
俺は、外に出て番号札を配り、最後列の看板を持ち、客の案内をしている。
最初は、シロやクロに頼んだが一部のファンに邪魔をされて、それどころではなかった。
フランやマリーが、店内で最終確認をしているので、そちらの手伝いに回した。
話を聞いている限り並んでいるのは、結婚前のカップルから老夫婦までいる。
楽しそうな会話しか聞こえてこない。
番号札があるので、開店時間まで場所を離れても良いと言っても不安なのか、皆その場で並んでいる。
行列が出来ている為、通行人はなんの行列かと聞いてくるので、宣伝効果は大きい。
しかし、前もって三日間五〇組限定と張紙をしておいて良かった。
数量限定していなかったら、一日での販売終了もあり得た。
通行人の邪魔にならない様に、隅に寄ってもらいロープを張る。
行列の最初の人は、開店の三時間前から並んでいたカップルだった。
俺がもくもくと作業をしているので従業員と思っているらしく、「朝から大変ね」と声を掛けてくれる。
笑顔で頭を下げる。
こういう時に丁寧語が喋れないのは、本当にツライな……
開店一時間前には、既に五〇組目の紙は配り終えた。
販売価格等も数日前から、張紙で告知しているので、キャンセルはそうそうないだろう。
このまま、中に入ってもいいが行列でトラブルがあると、面倒なのでこのまま待機する。
案の定、数量限定と言っているのに文句を言ってきたり、順番を守らずに横から列に入ろうとする奴がいる。
そんな奴達には【威圧】を使い、俺なりの丁寧語で御願をすると、小声で文句を言いながら退散していった。
……これは、用心棒が居なければ成り立たないような感じだ。
明日からの対応は、冒険者ギルドに『クエスト』でも出すか。