表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

116/942

115話 家の違和感!

 フランが目を覚ますのを待って、トブレと別れて街に戻ってきた。


「タクト、急用って?」

「そうか、言ってなかったな。 家買ったんだよ」

「はい?」

「だから、家を買った」

「え~~~!」


 驚くフランに、


「お前の職場にもなるから、案内するぞ」


 家まで案内して、「好きに見て回ってこい」と言うとフランは、何回も階段を上ったり、下りしていた。


「タクト、この家凄いね」

「まぁな、訳アリ物件だから安かったしな」


 フランが青ざめる。


「もしかして、噂のバケモノ屋敷じゃないよね……」

「御名答!」


 フランは、そのまま気を失った。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



「気が付いたか?」


 フランは倒れた理由を思い出している。

 思い出すと、青ざめた顔になる。


「タクト、よく住もうと思ったね」

「あぁ、問題も解決したから大丈夫だぞ」


 窓に映る少女や灯は、ライラだと判明している。

 扉が勝手に開いたり、棚から物が落ちたり……あれ? それは誰かが住んでいた時だよな。


「ライラ、居るか?」


 ライラを呼び確認をする。

 フランが居るので、少し怯えているが知り合いだから大丈夫だと伝える。


「はじめまして、フランです」


 フランの方から話しかけた。


「ライラです」


 フランも挨拶をする。


 今迄、このバケモノ屋敷での噂をライラに聞いてみる。

 窓越しの少女と灯は、多分自分だと言っているが、その時は空き家だったので扉や棚から物が落ちる件は知らないと言った。

 ただ、夜中に物音がするのはライラも確認している。

 最初の夜だけ、物音がして怖い思いをしていたが危害が無いし、その後何も無かったので気のせいと思うようにしたそうだ。


 まだ、この家にバケモノが居るという事か?


 シロの裁縫作業している部屋に行き、何か変わったことが無いかを聞く。


「そうですね、なにかいる気配はするのですが……」

「シロでも分からないか?」

「はい、昨日クロさんも気になっていたみたいです」

「そうか」

「もしかしたら、精霊の類かも知れません」

「精霊? 樹精霊(ドライアド)のリラみたいなって事?」

「そうですね」


 おとぎ話に出てくる、いたずらっ子の妖精か?

 精霊か……バケモノより厄介かも知れないな。


「御主人様、頼まれていたものです」


 シロから、上質紙を貰う。

 この街で一番上質な紙の購入を依頼しておいた。


「ありがとう、助かる」



 クロの作業している部屋に移動して、シロと同じ質問をする。


「衣装作りで忙しいところ悪いな」

「いえ、気になさらずとも大丈夫で御座います」

「この家の違和感というか、気配は気付いているんだよな?」

「はい。 ただ何者かまでは分かりません」

「やっぱりそうか」

「姿を隠す能力スキルを持っているかも知れません」


 ライラの【隠密】と同スキルということか?


 考えても対策案が無いので、被害が出るまでは一旦忘れる事にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ