112話 妹属性再び!
ライラが、シロとクロに自己紹介をする。
俺からは一応、客人だが普通に接する事を伝えた。
それが、ライラの希望でもあった。
孤人族の次期頭首候補だとも伝えたが、ライラ自身はあまり実感していないようだ。
そもそも、候補者は何人居るんだ?
ローラが嘘をつく訳は無いが、もしかしたら沢山居るんじゃないのか?
今度、確認してみるか!
ライラは、それぞれを「シロちゃん」「クロちゃん」と呼ぶ事にしたらしい。
クロは物凄く抵抗したが、ライラにお願いポーズをされると最後は観念したようだ。
俺はというと、「お兄ちゃん」と呼ばれる。
前世も含めて、初めて呼ばれた。
少し感動した。
シロにも感じた妹属性だ!
名前で呼び合うと、馴れてきたのか元気になっていった。
やはり、子供は元気が一番だな!
四階の部屋は俺が使う事にして、三階の部屋をシロとライラに使って貰う事にした。
「同じ部屋では駄目ですか?」
ライラが不安そうに言う。
又、独りぼっちになるのが不安なのだろう。
「仕方ない。 けど寝相悪くても知らないからな」
「うん」
安心したのか、笑顔で答えて俺に抱きついてきた。
妹が居るとこんな感じなのだろうか?
クロは、バルコニーの方が落ち着くと言っていた。
そのうち、止まり木でも買ってやるか。
結局、ライラが増えただけでシロやクロ達とは同じ部屋での生活になる。
……シロやライラと同じベッドで寝ることになるが、俺は緊張しすぎて寝れない気がする。
睡眠不足も【回復】で対応出来るのか……
とりあえず荷物等もあるので、一旦宿屋に戻ることにする。
家を出て鍵をするとライラが、
「結界張るね」
建物全体に結界を張った。
これで外からの侵入は出来ないらしい。
防犯はバッチリだ!
因みに、俺達が来た時も張っていたそうだが、俺が建物に入った瞬間に結界が壊れた。
【魔法反射(二倍)】の影響だと思われる。
俺には【結界】の効果が無い事が証明された。
「ライラは小さいのに凄いな」
頭を撫でてやると褒められて嬉しいのか、耳が微妙に震えて九本の尻尾は左右に揺れている。
「条件を付けての結界も張れるから、今度見てね」
やはり自分の能力を褒められると嬉しいようで、他の事も出来るとアピールする。
「あぁ、今度見せてくれ」
「うん」
宿屋に戻り明日、この宿屋を出る事を伝えて明日までの宿代を払う。
今夜も宿泊はしないかもしれないと念の為、伝える。
話を聞きつけたリムは寂しそうにしていたが、街を出るわけではないし、たまに食事に来ることを伝えると、いつもの笑顔に戻った。
この宿屋にも随分とお世話になったな。
宿屋から荷物を持ち出して、新居に戻る。