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103話 領主からの依頼!

 問題も解決したので、そろそろ帰ろうかと思っていたら、リロイがシキブとムラサキに話を始めた。


「シキブ殿にムラサキ殿、少しいいですか?」

「はい、なんでしょうか?」

「御願いというか、お聞きしたい事があるのです」

「はい、私共にお答えできる事であれば」

「貴方達は先日、『結婚式』なるものを致しましたよね?」

「……はい」


 ふたりの顔が赤くなっていく。

 まさか、このタイミングで振られるとは思っていなかったのだろう。

 それは、俺も同じだけど。


「貴方達は、結婚式をやってよかったですか?」

「はい、皆から祝福されるのはとても嬉しい事でした。 それに綺麗なドレスや婚姻の誓い等、とても感激致しました」

「その通りでございます。 新郎として新婦の姿を見られるのは感無量です」

「それは、新婦としても同じです。 それにこの指輪です」

「それは?」

「はい、一生愛してくれる証として、新郎から新婦への贈り物です」

「それは、素晴らしいですね!」


 話を聞いているニーナの顔が浮かない。

 多分、『魔力封じの指輪』を既にしているからだろう。


「領主、いいか?」

「はい何でしょうか?」

「ニーナは、その結婚式を見て既に自分で、領主への想いを忘れない為に、指輪をしている」

「そうなのですか?」

「はい」


 嘘ではない。

 ある意味それ以上の覚悟で、指輪をしている。


「ニーナは知らないが、その指輪のデザインは俺が独自に調べて、領主の母親と同じにしてある。 先程マイクにも確認した」

「そうなのですか!」

「あぁ、間違いない」


 俺は、マイクを見る。


「はい、私も最初拝見した時は驚きました。 さすがはタクト様の情報網と、感心致した次第であります」

「そうなのですね! ありがとう」


 リロイは目に涙を浮かべながら、


「タクト殿、ありがとうございます。 貴方には本当にお世話になってばかりですね」

「そんなことはない。 俺なんて、問題児の変人扱いにされているバケモノですから!」


 シキブとムラサキを見るが、目を反らす。


「人の妬みとは、醜いものですね」


 だそうですよ、そこの新婚さん!


「話を戻しますが、出来れば私達もその『結婚式』なるものをしてみたいのです」

「はい、それは良い事だと思います」

「それで、取り仕切ったと言われる『四葉商会』を御紹介頂けないでしょうか?」


 ……嫌な予感しかしない。

 シキブは、笑いをこらえるように、


「畏まりました。 すぐに代表と連絡が取れます」

「そうなのですか、申し訳ありませんね」

「いえ、問題ありません。 ねぇ、タクト」


 完全に揶揄っている顔だ!


「……タクト殿?」

「はい、タクトがその『四葉商会』の代表です!」


 シキブ、さぞかし面白いんだろうな!


「そうなのですか! タクト殿は何でも出来るのですね」

「いや、そんなことは……」

「私達の結婚式を、取り仕切って頂けないでしょうか?」


 祝ってあげたい気持ちは当然あるが正直、面倒臭いな。


「領主様の依頼は、断れないわよね!」

「そうだな、なんてたって領主様だからな!」

「……分かったよ。 その依頼受けるよ」

「ありがとうございます」


 結婚式のプランニングか……

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