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魔王の長女に転生したけど平和主義じゃダメですか?  作者: 初瀬ケイム
第五章 ×××どらごん
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第五十話 キミとならどこまでも飛べる

「さて……じゃあ具体策を練らないとな……。」


 元・勇者の無茶振り……

 "どうしても出して欲しけりゃ、人間にとって無害な証拠を見せろ"。


 その宿題を攻略すべく、俺とミリィは頭を捻っていた。


「とりあえず、ミリィについて教えてくれ。何かヒントになるかもしれん。」


 行き詰ったときは現状把握が基本だ。

 俺が頼むと、ミリィは頷いた。


「えっと……パパは竜種【ティアマト】。魔王軍幹部でした。」


 おぉ! 竜種!

 ついにドラゴンさんですか!


「ミリィは? 種族は何になるの?」


「……【ドラゴン】です。」


 ん? 【ドラゴン】?

 頭に"レッド"とか"ホーリー"とか"ブルーアイズ"とかなんも付かないのか?


「ただの【ドラゴン】なの?」


 俺の言葉に、ミリィは悲しげな声で答える。


「そうなの……わたし、役立たずだから……。」


 え? 何で悲しそうなの?

 そんで話噛み合ってなくない?


「え~っと、スマン。俺あんま詳しくないんだけど……【ドラゴン】なのと役立たずなのって関係あんの?」


 俺の言葉に、ミリィはハッとして説明する。


「えっとね。竜種は、生まれた時はみんな【ドラゴン】なの。"力"を身につけて、その"力"で何かを成し、認められた時に"種族名"をもらえるの。わたしは認められてないから……だから"従者"も居ないの。」


 あー……そういうシステムなのか。


「……わりぃ。ミリィを傷付けるようなコト言っちまったな。」


「う、ううん! わたしが役立たずなのは、わたしが悪いの!」


 俺の謝罪に、ミリィは慌てて手を振る。


「ミリィはまだ"力"を身につけて無い、ってコトなのか?」


「ううん。でも……わたしの"力"は、役に立たないから。」


 役に立たない力……か。


「ちなみにどんな"力"なんだ?」


 俺の問いに、ミリィは口ごもる。


「……言っても、たぶん役に立たないよ?」


 そう言って、他に誰が聞いているわけでもないのに、俺に顔を近づけ、耳打ちする。

 おぉ! 耳元で囁かれる幼女ボイス! 耳が幸せ……!


 そうしてミリィは俺に"力"について説明した。


「……っていう"力"なの。役に立たないでしょ?」


 ミリィはそう言ったが……俺はそうは思わなかった。


 確かに変わった"力"だが、使いようによっては……



 ……。


 …………?


 ………………え?


 ……………………あれ??


 …………………………待てよ?


 待て待て待て待て!!!!

 オイオイオイオイ!!!!!!


 その"力"を使えば……"出来る"んじゃないか?


「~~~~ッ!!! ミリィ!!!」


「ひゃっ! な、なに!?? レティちゃん!?」


 俺はミリィの肩をガバッ! と掴む。


「"出来る"ぞ!!」


「"出来る"って……ココから出ることが出来るってこと?」


 ミリィの問いに、俺は首を振る。


「そんな小せぇコトじゃねぇ!! その"力"があれば、ミリィは英雄……いや、"伝説"にすらなれる!!」


 俺の言葉の意味がわからず、ミリィはぽかんとしている。


 そうだ! 出来る!

 今まで誰も成しえなかったようなことが!!


「レ、レティちゃん。でも、まずはここから出ないと……」


 興奮気味の俺に、ミリィが不安げに言う。


「あぁ。それも同時に解決した。」


 そう。

 これでこっちの準備は万全だ。


 あんな捨て台詞置いてったんだから、あの元・勇者は"答え"を聞きにまた戻ってくるハズだ。


 だったらそん時に用意しといてやろう。


 あの呑んだくれに、酔いも醒めるようなとびっきりの"プレゼン"をかましてやる!!


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