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魔王の長女に転生したけど平和主義じゃダメですか?  作者: 初瀬ケイム
第五章 ×××どらごん
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第四十七話 月夜のウサギたち

「え!? 会えるの!?」


 王城に捕らわれた"魔族の娘"さん……。

 正直、正攻法じゃ会えないと思い頭を悩ませていたんだが……。


 目の前の男……"元・勇者"は、気軽に「会わせてやろっか?」とか言い出しやがった。


「お~会える会える。連れ出せるかどうかは……まぁ、嬢ちゃん次第だがな~。」


 マジか……。

 行き詰っていた俺からしたら願ってもない話だ。

 だが……


「なんで?」


「ん~?」


「なんで"(まぞく)"の味方みたいなことしてくれんの? アンタ元っつっても"勇者"だろ?」


 俺の問いに、元・勇者は変わらぬトーンで、だが表情に若干の寂しさを混ぜつつ、答えた。


「……魔王(アイツ)との約束だからな~。」


***


「う~い。嬢ちゃんこっちこっち~。」


 俺は元・勇者に連れられて夜の王城に来ていた。

 夜でも当然、正門には門番が立っていて侵入は出来ない。


「なんだ? どっか抜け道でもあんのか?」


 南側の正門をスルーして、元・勇者に手招きされるまま西側の城壁に到着する。


「抜け道~? そんなん無ぇよ~。"普通に入れば"いいだけだ。」


「……普通に? って、おい……」


 元・勇者は俺の腰に手を回し、軽々と持ち上げ、


「口閉じとけよ~。舌噛んじゃうぞ~。」


「ちょっ……! ~~~~ッ!!!???」


 そのまま城壁に向かって走ると、二階建ての家屋ほどもあるそれを……飛 び 越 え た !


(なんッ!?? えぇぇぇ!?)


 城壁を軽々と越える跳躍の後、今度は自由落下が俺を襲う。

 一瞬、このまま地面に叩きつけられてトマトのように潰れる未来が見えた。


 ……が、元・勇者は俺を小脇に抱えたまま、ほとんど音も立てずにふわっと着地した。


「なっ!? 何が……むぐぅ!?」


「はいは~い。ココもう城内だからね~。大声出すとコワい警備兵さんが来ちゃうよ~。」


 元・勇者は俺の口を塞いぎながら言う。

 アンタの方がよっぽどこえーっつーの!


 つかデタラメにも程があんだろ!?

 明らかに人間の身体能力の限界超えてんだけど!?

 あーもーまだ心臓バックンバックンしてるわー。


 俺の驚愕などお構いなしに、元・勇者はスタスタと夜の場内を進んでいく。


 まぁ……付いて行くしかねぇか。どの道出られねぇし……。


***


「っと~、ココだな~。」


 元・勇者が歩みを止めた先……

 夜空に伸びるその塔を、俺も見上げた。


「この塔に"娘さん"が幽閉されてんのか。」


「あぁ。ココの最上階だな~。」


 地上十メートルってとこか。


「んじゃ~。もういっちょ行くか~。」


「ん。」


 俺は元・勇者に寄り添って両手をバンザイするように上げる。


「ん~。さすが嬢ちゃん、適応力高いね~。」


「まぁ一回自分の目で見たモンは疑わねぇよ。」


 俺らは再度、夜空へと跳んだ。

 お読み頂き、ありがとうございます♪


 ブックマーク登録200件達成しました!

 もうホント感謝しかありません!


 というわけで閑話書きました!

 (今回本編が短いのは閑話に時間掛け過ぎたせいじゃないです! ……たぶん。)


 ストーリーを純粋に楽しみたい方はお気になさらず♪


 それでは今後ともよろしくお願いします♪

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