キャバ嬢の回想
どうしてこんなことになったのか、
警察が囮捜査してて、お客さんの中にもし警察が紛れ込んでたら、私は捕まるしかないなんて……
「君が捕まって吐いたら、組の命も終わったも同然だ。だから、捕まる前に必ず奪還する」
私をどう奪還してくれるのかさっぱりわからなかったから、聞いてみたら
「24時間GPSで監視してあるから、もし警察署に君がいたら、マシンガンで助けにいく」
本当かな? むしろ、捕まりそうになったら、遠方から狙撃して私のこと口封じするんじゃないの?
どっちにしても、ヤクザの言いなりになるしかない。それに私だって麻薬やり続けたいし……
私が麻薬に手を出したのはずっと昔、高校生の頃だ。その頃からずっと依存してて、気持ちいいけど、稼いだお金が泡みたいに麻薬で消えてて、それが虚しくて、
そんな日々に、突如として、VRゲームが発売されて、凄く面白くて、つい覚醒剤の事なんて忘れてしまう日々で、貯金も貯まるろうになって、職場恋愛もうまくいってて、
でも、家に隠して忘れたままになってた覚醒剤が彼にバレて。彼は私を通報なんてしなかったけど、彼はうっかり家族に私のこと話したみたいで……
家族の方から通報されて、檻の中に入って
彼が家族に相談したくなる気持ちも
分からないでもない
逆の立場なら、私も同じことしていたかもしれないから、
問題は教師の仕事を失ってしまったこと。
教師だから、問題になるんじゃなくて
失業中の
間がある
時間が
いけなかった。
職探ししてると、失敗はつきものだし、どうしても、ネガティブになったりする
間のある時間に、私はVRの世界でストレスを発散していた。ストレスを貯めてないから大丈夫だと思ってた。
一番のストレスが彼が、私を待つと言ってた彼が、お見合いして結婚したことで
でも
それ自体は許せた。だって好きだからこそ、身を引ける愛もあると思うし
でも、頭ではわかってても、心がついていかない。
100%受け入れてたと思ってたけど1%くらい受け入れてなくて、
日々の生活のなかで、ふと虚しさがよぎって
些細な感情の揺らぎだったけと、それが毎日繰り返し起こってたら
いつの間にか、間のある時間に必ず虚しさがよぎって
起きているときも、寝ているの時も、
間がありさえすれば、思考を支配してくるから、
だんだん
だんだん
少しずつ
そんな自分に
イライラしてきて
寝られなくなって、
そこから
イライラと不眠がスパイラルするように
そんなキャラしてる自分が納得できずに、余計イライラして
ストレスが、爆発的になるから、VRやっても楽しめないし、
精神安定剤、飲んでみたけど、効き目ないし
いわゆる鬱なんだとわかって
生活保護を受けるにしても、
情けなくて、家のポスト入ってる、きらきらしたキャバ嬢のパンフレット見てたら、私もまだ働けるし、顔はイケてるし、前を向いて生ようって思ったの
そこからは良くある話でホストにハマっていく過程で、お気に入りの彼が覚醒剤してて、
ああ、彼も自分と一緒なんだっ
安心してしまって
泥沼にはまりました。
ただ、運が良かったのか、彼は覚醒剤で逮捕されて、結果的に、わたしの側から、彼が居なくなるのだけど、そうなってから意外に、たいして彼を必要としてない自分に気づいて
それを踏ん切りにして、麻薬の魔力からも開放されて、私的には良かったんだけど
彼の好意で私の飲みの借金をツケにつけてたから、彼が逮捕された瞬間から、店側が返済を待てないから、返してくれと。
私も彼も覚醒剤に浪費してて、堕落してたから
そんな時、ヤクザに借金を立て替えてもらって、危ない橋渡りに協力するようになって、
最初は問題なく、お客さんに宣伝できてたのだけど、お客さんが覚醒剤買って持って来るようになって、プレゼントしてくれて、断れば良かったのだけど、
無料で高価な覚醒剤が手にはいるものだからつい、
貧乏性が、原因で今こうしてるのね、なんかわらえる。
覚醒剤つかったから、ハイになってるだ。だから、こんなくだらないことで、笑える。
そういえば
このままVRやったら、どうなるかな?
うひょーーーー!
やべぇ
この感覚は
初めての麻薬を体験したときの感動にそっくり。
もう逮捕とか、されても、どうでもいいや
これが味わえるなら逮捕されようが、口封じに狙撃とかされようが、どうでもいいや
〜つぎの日〜
やっべ、ものすげわ、疲れる!
薬物副作用で彼女は喪失感と
共に脳も体も疲れきっていた。
覚醒剤を使わなければ立つ気力もでない状態。
「こんな日は、仕事をサボって寝ていよう。昨日は働いたんだし、いいよね」
そんな考え方をしてたら、貯金貯まらないし、返済できないから、ずっとヤクザに縛られる。
これがヤクザのいう持ちつ持たれつな関係である。




