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謎女


おい!マサシ!後のことは頼んだぞ!


そう言って事務所を出てきたけど、自分だけ遊ぶのは、流石に罪悪感ある。一応、遊びついでに

ヤクの販路ぐらい拡大しとかんとな


「寺井さん」


帰り道で 女の子に声をかけられた。はて? 見覚えがない子供だぞ?

「あたしね、しってるんだよ? おじさんがVRでなにやってるか!」




……

ウソ?

なんかの冗談じゃないのか?


事務所に確認をとってみるが、警察のガサ入れはない。


「お嬢ちゃん、もしかして原さんとこの子?」

原の兄貴には子供がいるという話を聞いたことがある。ヤクザが所帯を持ったら家族に危険があるからと、原の兄貴は一部の幹部にしか話してない。話したと言っても酒の席でうっかり、という程度のことで……

だから原の兄貴自身、ヤクザの話を家族にするとも思えない




「お嬢ちゃん、もしかして原さんとこの子?」


「だれそれ? はらってなーに?」


とりえず人目につくとやばい気がする。

もし本当にこの子がシノギについて知ってるのなら、


「お嬢ちゃん、良かったら、知ってること教えてくれないかな?」


「どうしよかな~」


「おじさんち、すぐそこ、だから、お菓子食べながら、お話しようよ」


「ヤった! お菓子だ、わーい!」



~自宅にて~


自宅に幼女を招き入れ、玄関の鍵をかけて、コタツに座らせた。

お菓子は会合で貰った饅頭くらいしかない。お茶を入れる為に湯を沸かす


「で? どんな話をきいたのかな?」


お湯が沸くまで待てない。一応原の兄貴に電話をかけてみた。原の兄貴が偽名で家族を作ってるかもしれないし


「で? お嬢ちゃんはVRの何を知ってるのかな?」


「お嬢ちゃんではないです。ウチはもう小学6年生です」


どうみても園児にしか見えない


「そうだね。おじさん失礼だったね。じゃあ、何て呼べばいいのかな? おじさんは、おじさんで良いとしても、君には名前があるんだよね?」



「名前は……」


ヤカンの音ピーピーやかましい。邪魔!


「ごめんね、もう一回名前いいかい?」


「えー」


「そんなこと言わないでさ、お菓子はあるからさ」


「わーい!」


これ本当に小学生なのか?思考回路がバカ殿並だろ



「お菓子は饅頭しかないのだけど」


「わーいー!饅頭すきすき」


饅頭が好きとか、珍しい子供だな。


「でさ、君のおなまえは?」


小学生は何かを考えている。、名前を言うと都合でも悪いことがあるのか?


「メナード!」


ん?


「私の名前はメナード!」


何ほざいてんだ、コイツ


もしかして最初から教えるつもり無いのか? 名前もVRのことも

何も知らないというなら、それでいいんだ。でも俺を指してVR発言したのだから、何かを知っている筈なんだ。俺はもうVRやる友達なんて、いないのだから。VRのことで俺を知ってるのは……


電話が鳴った。

「もしもし、原だ。なにかあったか?」


「原さん、今うちに小学生の子供が訪ねてきてて、」


「小学生のこども?」


「はい、原さん前に子供いるって言ってたじゃあ、ないですか。」


「ああ、いるぜ、高校生の息子と大学生の娘が」


「……」



寺井は頭が真っ白になった。

電話で今の自分が何を話してるのかわからない



じゃあ、あの子供は何なんだ?


なんでオレの事を知っていて


しかも家の近くにいた……




!?



オレの家を知っていた?


オレの家を知っていて、VRをオレがやってると知っている人は……



電話が鳴る

「ぜえ、ぜえ、はあ、はあ、はあはあ」


何の電話だ?!



「おい!、ウチの子見んかったか!寺井!」


ん?

会長のこえ?


「そっちにウチの子邪魔しとらんか? アイツほんまに勝手に出歩くなって言ってんのに!!」


会長に娘がいたとか全然聞いたことがないのですが。


「寺井、ちょっとナギに電話代わってくれ」










名前がメナードではないとか、そんな事は、この際どうでもいいです。

要するに会長の孫がVRやってるけど、VRやる友達がいなくて友達欲しいって会長に言ったら、今度ウチ組から寺井という奴を連れてきてやるから、と諭されるも全然連れてきて来てくれないから、組員名簿から住所を調べて訪ねてきたよ。でも、ここの住所が本当に正しいか確信なくて、もしかしたら、怪しいおじさんに連れて行かれてるだけかもしれないから、名前とか個人情報を言いたく無かったんだと。園児だけど子供に思われて舐められたくないから、小学生だと嘘をつき、饅頭が好きなのは、おじいちゃんも饅頭が好きだからで





で、そこからどうして、オレがこの子のお守りをするハメになるだよ。

オレは覚醒剤をVR使って売らなきゃいけないのに。そしてこの子は何故コタツでまったりVRをやってるんだ? それはオレの役目だった筈なのに。


「ぶいあーる、おじさんも一緒にやろうよ」


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レビューは、お勧めする内容でなくとも全く構いません。お勧めのできない理由や、ここがツマラナイ等なんでも構いません。 否定してこそ、新たな創造が生まれると思っているので、勉強させてください
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