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第五話 山賊貴族ミリステア卿

かなり遅くなってしまいました、

感想をぜひいただければ嬉しいです^^

 




 森の中を歩いていると、次第に木々が少なくなっていき、小さな民家が見えてきた。赤いレンガで立てられたおとぎ話のような民家からは、煙突が突き出ていて、煙がもくもくと出ていた。三人が足を止めると、アルンが二人に言った。


「ついたわ、ここよ。」


 エレンは民家を眺める。そしてアルンに尋ねた。


「ここで何をすればいいんだ?」


 その時、民家のとびらがガタッと開き、中から杖を突いた老婆が出てきた。老婆は三人を見るとニコリ微笑み、奥の草むらを見るとなぜか険しい顔になった。アルンがあわてて老婆に駆け寄る。


「おばあちゃん!!寝ててって言ったじゃん!!」


「………アルン、これしき大丈夫だよ。」


 老婆は、また微笑む。

杖に頼り切って立っているところを見ると、その言葉は全く説得力がない。


「とにかく、中におはいり。」


 何が「とにかく」なのかもわからないまま、エレンとストラウスは老婆の家へ招かれた。中は思っていたよりも広く開放感があった。老婆は杖に頼り切っているかと思われたが、恐ろしく俊敏に歩き、介護の必要もなく「寝ている」必要もないかのように思われた。テーブルの椅子に腰かける。その時、エレンが背中に掛けていた剣が、黄金に輝きだした。


「エレン!!、剣を外せ!!」


ストラウスが叫ぶ。

エレンの剣を強引に外すと、剣を抜いた。


「なんでこんなところで・・?・・・まさか!?」


 ストラウスは老婆に駆け寄った。エレンとアルンは唖然としていて、混乱していた。


「…ばあさん、「魔剣」を知っているな?」


「えぇ。存在は、ね。…まさかこんなところで出会えるとは、アルンに言い聞かせていた甲斐があったってもんだ。」


「………おばあちゃん。それって、「黄金の剣持ってるやつが現れたら、つれてくる」話?」


 エレンはまだ何も知らなかった。この世界のことを。そしてこの世界を切り開くモノの存在を。ストラウスはエレンに説明した。この男は自分が知らないことをたくさん知っているんじゃないか?

 エレンの脳裏にかねてから抱いていた疑問が再び浮かぶ。この先、情報不足で身の危険が迫る気がして背筋が凍った。


「ストラウス!……全て教えてくれないか?…知らなきゃいけない気がするんだ。」


「ああ。魔剣のことについて教える。…けど、すべては教えられないんだ。一族のおきてに反する。」


 ストラウスは、古代から続くある一族の末裔であった。


動き出す世界アンダー・ザ・ワールド」にまつわるすべての物事を記録し、完成された世界へ魔剣の所持者を導く。このことを何百年と行ってきたのが彼の一族であった。


「それでもいいから教えてくれ。魔剣のことを」


 エレンの中に眠る人類の「探究心」が歯止めをきかなくなっていた。

 知りたい。知って、いち早く「完成された世界へ」辿り着きたい。


「魔剣とは、「完成された世界へ」行くための必須アイテムだ。別世界での自分と一体化した後、魔剣で世界を切り開かないといけない。……魔剣は世界にいくつか存在し、それぞれが、所有者の「個性」を具現化し力に変換する。…………ここが重要だ!、その強さ故、山賊や国からも狙われる。」


「それじゃ!」


 老婆が言った。ストラウスは疑問を浮かべ、アルンはうつむいていた。


「ストラウスさんが言ったことが、まさしく私たちがお願いしたいことなの。」


 アルンが言うには、4年前まで、老婆は魔剣を持っていた。ところが、その魔剣を狙ってとある貴族が訪ねてきた。このあたり一帯では最も大きな屋敷を有する「ミリステア卿」であった。しかし、彼は貴族という身分でありながら、山賊と内通しており、市民の間では「山賊貴族」と呼ばれていた。案の定ミリステア卿は部下の山賊にアルンたちを襲撃させ、魔剣を奪っていった。


「…………と、言う事なの。」


 二人はうつむく。エレンは激しい怒りを覚えた。貴族という高い身分でありながら、己の私欲のために市民から不当にものを奪っていくとは。


「その、ミリステア卿をブッ飛ばして魔剣を取り返せばいいんだな?」


 突然エレンは歩き出した。ミリステア卿の屋敷が見える方角へ。家の扉を開け、飛び出していく。ストラウスは少し笑みを作り、エレンについて行った。


「・・!?。そんな簡単に勝てる相手ではないわ! もっと作戦を練らないと、」


「作戦なんていらないさ。…こいつがあれば・・勝てる戦いなんだよ。そうだろ?ストラウス?」


 ストラウスは吹きだした。アルンと老婆は理解できないでいる。魔剣があれば勝てる。

 エレンは己の力を初めて信じて、魔剣を天に掲げた。黄金の剣は、太陽を乱反射させ、きらきらとあたりを輝かせる。


「魔剣の力に、山賊ごときが相手にならんさ。」


「でも、ミリステアも魔剣を持っているのよ!!」


 エレンは肩をぐるりと回し、アルンに声を掛けられて止めていた足を進め、歩き出した。そして途中でアルンのほうを振り向き、言った。


「そいつは、その時考える。…まずは倒すことに集中したいからな。」


「心配しなくても、何とかなるから!、そんだけ魔剣はすごいんだ」


 ストラウスは笑った。さぁ、山賊貴族をなぎ倒しに行こう。日の光はまだ上にある。とっとと行こうぜ、とストラウスはエレンの背中を押した。





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