第三話 探知する男
こんにちは、真木です。
誤字脱字があれば、教えてください!
短編のほうもぜひ見てください!!
光が近づいてくる。
眩しくて、目をそらしたくなるような光が近づいてくる。
ただ一つ、いつもと違うのは、その光が酷くおかしいくらいに冷たいところだった。
歪みを切り裂き時空間に侵入したエレンとストラウス。
二人は時空間をさまよっていた。
「…切り裂けばすぐ着くんじゃないんだな。」
「もっと、この状況に驚きをもてよ!!!」
ストラウスの叫びが薄く響く。
エレンは冷静だった。
自分でも驚くほど冷静なので、思考を乱すことなく時空間をさまよっている。
「………早く違う世界への入り口を見つけ出さないと。この時空間、長くいたらまずい気がする。」
表すことができないような時空間に包まれながら、エレンはなお考えていた。
ストラウスは、そんな「少年」を横目に、聞こえないように呟いた。
「…………こんなガキが…冷静にいられるものなのか……?」
二人は走り出した。
気配すらない、時空間という一種の世界から逃げるように。
ストラウスは、はるか前方を見る。
一帯が同じ時空間に、人為的に隠されているかのようにおかしなところがあった。
「エレン!!!あそこ違和感がねぇか?」
ストラウスは隠されたところを指さし、剣で切り裂けというように手を上から下に振り下げた。
「……確かに。これは?…わかった。切り裂くぞ!!!」
エレンは違和感に素早く駆け寄ると、華麗に切り裂いた。
時空間にポツリとドアのようなものが現れた。
ドアに隠すようにかぶせられていたのは、布のような感じだが、明らかに布ではなかった。
「…なんなんだ?これは?・・・・うわっ!?」
エレンが布だと思っていた物質を拾い上げると、それは溶けるように落ちていった。
「・・・・俺らの世界の物質じゃねえな、こりゃ。」
ストラウスは溶けている物質に指先で触れ、気持ち悪いというようにはじいた。
「よし・・・・開けるぞ・・・?」
エレンは取っ手に手を掛ける。
無言で頷くストラウスを横目に、ゆっくりと開けた。
ギィィと、鈍い音の後、またしても二人の平衡感覚が失われ、今度は闇に包まれた。
世界を楽しむ男;1
また、この世界に誰かがやってきたみたいだ。
俺には分かる。
この独特の感覚、高ぶる心、どれをとっても最高だ!
今来た完成された世界を目指すのは、どんな奴だろう?
気になって仕方がない。
それにしてもこの「感知」の能力はなんて素晴らしい!
俺は銀色の髪をかきむしりながら、路地を進んでいく。
この暗がりでも、銀色の髪は目立つことだろう。
あえてしたのだ、銀髪に。俺を見つけた「訪問者」に、このおれを記憶させるために。
俺を覚えさせなければ、「あれ」ははじめられない。
酷くありきたりな「あれ」って言い方だけど、まさしくこの形容詞があっているんだから仕方がない。
路地を抜けて、市場を駆け抜ける。
「おーい、シルバ!!!今日は買ってかないのかい?」
顔なじみの店員に声を掛けられた。
俺は駆け抜けながら答える。
「それどころじゃ、ねぇんだ!!!またな!!」
もうすぐだ、もうすぐ出会える。
今度はどうしようかな。
そう考えていると、感知が教えてくれた。
「・・・・・来たやつの名前は…エレン。」
俺の脚はなぜか早く駆け抜けた。
読んでいただいた方へ
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