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第二話 謎多き世界

自分はまだまだ未熟者なんで

誤字、脱字があればお教えください。

「…ま、まぁ、あれだ! その……話しかけるきっかけと言うのか……誰にだってミスはあるだろう!!」


ストラウスは1つ咳払いをすると話しに戻った。エレンは何か変なことに突っ込んでしまったなと内心反省していた。


「お前が異世界に行くには……この剣、そしてそれを作った先代の血を受け継ぐ俺がいないといけないんだ。」


「……ストラウスが作ったんじゃないんだ。」


 エレンは思わず敬語を忘れていたが、ストラウスは気にしなかったので、エレンは敬語を使わないことにした。


「うるせぇっ!……俺だっていつかは作り出すんだから良いじゃねぇかよ!」


「……ともかく、ついて来てくれるのか?」


 ストラウスは頷き、剣をエレンに渡した。

暖かい日光に、黄金色の鞘が眩しく光る。


「…言ったろ? 待っていたって。さぁ、行こうぜ! 俺の一族は代々『完成された世界』へ導くのが仕事なんだ。」


 少し無理やりな設定に、エレンは戸惑うが、


「よろしく頼む、ストラウス!!」


 異世界へ向かう人数が、1人増えた。1人旅と2人旅どちらがいいか。それは人によって違っていて、エレンの場合は……2人のほうがよかった。


 ストラウスの話によれば、異世界移動は大都市でしか行えないらしい。二人は急ぐように道を突き進む。やがて木々が少なくなっていき、大都市アルックスが見えてきた。


「おぉ、人がたくさんいる。」

「エレン! 迷子になるなよ!」


 嫌みを込めてストラウスがエレンの頭に手を置く。エレンはひどく嫌がって直ぐ様払いのけた。


「大都市は初めてなんだよ!……それにこんなに多く人を見たのもな。」


 エレンが呟く。アルックスの総人口は2000万人を越える。見渡す限り200以上もの人が行き来している光景に、小さな農村で育ったエレンが衝撃を受けないわけはない。


 突如、エレンは思い出した。不可思議な点について。


「…何で俺が選ばれたんだ?」

「エレン、お前が一定の基準を越えた優秀者だからだろ」


 エレンにははっきりとわかる理由があった。


「……俺の村には、学校がない。読み書きや知識は、自分で覚えるんだ。書物で 」


 訪問者……の選出は国が行っている。エレンの村には学校がないので、国がエレンの学力を知るすべはない。

───────国は、学力以外の『理由』で訪問者を定めている……?



「……この世界には、謎が多すぎる!!」


 エレンには、様々なおかしな点が見えていた。


「解明するためにも、早く異世界へ行くぞ!!」


 二人は大都市アルックスの中枢、地下へと続く階段の前に来ていた。


「……地下25F、そこにある異世界への穴を、この剣で切り開く!!」


 アルックスの騒がしすぎる情報社会の音も、地下の階段を数階降りるだけで聞こえなくなる。両端につけられた電球だけが、暗闇の頼りない唯一の光だった。


「『完成された世界』って、どんな感じなんだろうな」


 エレンが不安げに呟く。

声はひどく響いて、下へ伝わっていくようだった。


「そりゃぁ、もう、全てが完成してる世界だろうさ。」


「答えになってねぇよ」


「俺も、探してみようかな。『違う世界の自分』を。 何か、見つけれそうな気がするんだ、本当の自分を」


 エレンは少し考えて、笑った。

「……それは、少し違う気がするぞ。…今の俺達が、本当の俺達だ。」


──────俺達は真実を求めるために行くのじゃない。可能性を求めるために行くのだ。……完成への。


 途方もない階段を下り、二人は大広間へたどり着いた。白く何もない大広間の奥に、歪んでいる扉が見えた。


「……あ、あれが異世界への穴だ。俺もここから先へは行ったことねぇ。」


 ストラウスは少し緊張しているようだ。

エレンは楽しそうに笑うと歪んでいる扉に近づいて行った。


「おもしれぇ、こいつを斬ればいいんだろ!!」


 エレンは剣を抜いた。

銀色の刀身が目映く光った。


「漫画みたいな展開になってきたな。行くぞ!!」


 エレンは剣を歪んでいる扉に突き刺した。小手調べのようなつもりだろう。しかし、何故かエレンは動かず硬直している。


「エレン……!?」


 エレンの脳に、剣を通しておかしな言葉が流れてきた。ひどい旋律とともに流れる恐ろしい曲のように、エレンの頭に突き刺さった。


───────νАπζβСЭпуаЩцαΡ⊂⊥∬♭≫¶ゐΛБξХр────────────


「……あ、……あぁぁ。う…ぅう……。」


 エレンは苦しそうに腕を震わせながらも 必死に剣を振り上げた。


「……お、俺は……違う世界…へ、い、…行く!!!」


「ああぁぁぁあああ!!!!!!!!!」


 エレン剣を降り下ろした瞬間、二人は光に包まれた。悲しいような、暖かい光に……………




読んで頂き、

ありがとうございます。


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