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超能力者と魔導師と  作者: 嶺武(れいむ) 希伊(きい)
8/12

#8 仲間と能力と

第8話です

「そっか、凛にそんな過去が……」


紫が話終わると、雷斗が口にする。

それにつられ、藍羅、響介と深刻な表情をする。

ただ1人除いては……


「……でもよ、俺ら異能力者はそういうモンだろ?」


霧夜だ。

彼は産まれたときから異能力者であり、親から見捨てられていた。

それにより霧夜は1人孤独に育ったので、親の暖かさも知らないし、友人という存在もいない。

ただ、1人だったのだ。

そんな霧夜にこの『M.S.G.学園』の学園長……松平 多十郎が手をさしのべてくれて、自分は今現在ここにいると言う。

だから霧夜は凛が羨まし過ぎるようだ。

かといって、霧夜の性格上顔に出さないので、分かるのはほんの数人だけ。


「霧夜、気持ちはわからなくはないが少し落ち着け」


霧夜の興奮に押さえつける雷斗に、ぐっすり眠っている凛。

やはり、2人の間には少なからず亀裂が入っているのだ。

そんな亀裂が入っているにも関わらず、ある日……学園長直々に招集が掛けられる。

内容は勿論、大会のこと。


「よく、来てくれたのぅ」


「学園長、お話と言うのは……?」


「雷斗よ、それは愚問と言うものじゃ。大会の件で招集を掛けた。当然ここにおる者は大会に参加なんじゃが1人足らん。そこで先生方と話し合った結果、こやつがお主らの仲間になる事になったじゃよ」


多十郎に呼び出されたのは1人の男性。

凛には見覚えがある人。

それは……


「お前……如月か?」


「そうだよ、俺様はある男・・・を追うためにこの学園に入学してきた……が、此処には居なかった」


ある男、その言葉にざわつく一行。

凛はおそるおそる挙手を試みるが、最後まで聞けと汰一突っ込まれる。


「つう訳だ。よろしくな」


「あ、ああ」


それから大会までの2週間、凛たちは汰一と一緒に訓練することになった。


翌朝、凛はベッドから起きると見慣れない景色に気づく。

壁や床、扉もかなり高級な造りをしている。


「ようやく目が覚めたか」


声が聞こえた方向を見ると雷斗が足を組んで微笑んでいた。

普段笑顔を見せることの無い人が笑うと、それに釣られて笑うものだ。


「ここは……?」


「ああ、俺の家だ。とは言っても、別荘だがな」


「べ、べ……別荘ぉ!?」


「そうだが?」


頭に疑問符が付いているような顔をしている。

前に響介にも言われていた事なのだが、ド忘れしている。

雷斗はしっかりしているが、時々抜けているところがあるのだ。


「い、いや、そんなことより俺どれくらい眠っていたんですか!」


「ざっと三日だろう。安心しろ、学校には連絡してある。それよりお前のその能力ちからのこと知りたい」


「俺の能力ちからは魔法の風ですよ、忘れたんですか?」


当たり前のように答えるが『そっち』ではない。

雷斗が知りたいのは凛が覚醒時に使っていた能力ちから

だが、凛にはその時の記憶が一切無い。

覚醒した凛が気になった雷斗は、どうしても知りたいので凛を別荘へ運んだ。

そのついでで響介、藍羅、紫、霧夜、汰一を招いた。響介、藍羅は今回で3度目だが、紫、霧夜、汰一は初めてなので唖然していた。


「まあいいや、外でみんながBBQの準備をしている。手伝ったほうがいいだろう」


「あ、はい」


雷斗の言うとおり、外に移動する凛。

そしてゆっくりとその後を雷斗。


(もし、あの能力ちからがあいつら――メルダーに渡ったら……)


「雷斗さーん! 置いていきますよー!」


(とにかく、あいつらだけには渡せない!)


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