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超能力者と魔導師と  作者: 嶺武(れいむ) 希伊(きい)
4/12

#4 転校生と尾行と

第4話です

蒼天。まさに運動にはもってこいの天気だが、凛はどんよりとしていた。

M.S.G.学園は来月、体育祭を行う為の練習でいっぱい。

更に紫はスポーツ万能少女で、部活の掛け持ちも多数ある。

一方凛は頭が良く、テストは学生1位、2位を争うほど頭がいいが、運動は大の苦手なのだ。


「何でよりによって雨が降らないんだよ! しかも紫達のクラスがいるし……」


「観念しなさいよ、今日はあたし達のクラスと合同なんだから」


はぁ、とため息。

凛にとっては最悪の日になるだろう。


「アンタいつまで落ち込んでんの?」


「紫さん、俺が運動音痴なのを知ってて言ってんの? しかもよりによって今日は体育祭の練習……体育祭は俺にとって、ハイ○クール・オ○・ザ・○ッド並に地獄だ!」


その時、凛以外の人の脳内に、そこまで!? というツッコミが流れた。

その日の夜。疲れを癒すために凛は自分の妹である神楽千鶴と一緒に温泉に行くことにした。

そして偶然、この人と出会う──


「んっ? 何だお前」


「あ、いえ」


「あとじろじろ見るなよ」


「す、すみません!」


翌日、紫の教室で朝のホームルームのこと。

担任がクラスに入り、あたりは静かになった。

パンパンと2回手を叩き、生徒を座らせたあと重大発表があると言って1人の男をクラスに入らせる。


「遠坂 霧夜だ」


それだけ言って紫の隣の席に座る。無言で無愛想な霧夜は透き通った青い瞳で紫をにらみつけた。

それから昼休み、紫は凛の教室に行き、昼食を取る。今日は生徒会の仕事で雷斗と響介はいない。


「そういや、紫のクラスに転入生が来たんだっけ? どんな子なの?」


「うん、ちょっと怖いけど素直だよ。今日の2時限目の時なんか隣の子に教科書を見せてもらったのね、その時の霧夜君はなんか照れてたっぽかった」


「そう、よかったな」


先に弁当を食べおわり、ジュースを買いに食堂に行く。あっと小さな紫の声は凛には届かなかった。

食堂に着くと、食券を買おうとする長蛇の列を発見。ここの食堂は味で有名な元会社員の1人が勤めているので、三ツ星食堂と言われたことがある。しかもテイクアウトも出来る―だが有料―という最高な機能だ。


(本当にスゴい学園なんだな……)


「どけ! ぶっ飛ばすぞコラ!」


長蛇の列を崩すように少しキレ気味の男性が凛に近づく。かなり不機嫌な様子だが、ちょっとワクワクとした感じが見られる。そして凛にはこの男性を見たことあると思われる。


「ん? あっ、お前いつか銭湯にいたヤツ!」


「は、はは。ども」


「お前、この学園の生徒だったのか。まあいい。これから俺の前に立つなよ。容赦なくぶっ飛ばすからな」


「は、はい」


スッと通り過ぎ、そのままテーブルに座る。

何もないかのように振る舞う姿は『王』と呼ぶべきなのか、または『王子』と呼ぶべきなのか。転校生してきたわりにはかなり態度がでかい。

昼休みが終わり、午後の授業。凛の後ろ側の如月 汰一はまた休み。ここのところ休みが多くて、新入生らしかぬ行動が多々あると聞く。気になって雷斗と一緒に尾行する事になった。


「はぁ、全く君はワルい子だな。尾行だなんて」


「はは、でも気になりませんか? ……ナゾの男、如月 汰一」


「まあ、噂ではただならぬ力を持っていると聞いているからな……気にならないことはない」


「あ、曲がりましたよ。急ぎましょう!」


次の曲がり角を曲がろうとしたとき、汰一の姿は見当たらない。

辺りを見回したけれども、汰一の姿はいない。


「どこ行った?」


「確かにここでまがったはずなんですけど……」


何度もキョロキョロと探すけど、結局見つからなかった。

そしてその汰一は上から凛たちを見下ろすのだった。


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