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第7話~雷を発生させたらキラキラの鳥さんが来ました~

上手く文章が区切れなくて、少し長めになってしまいました(^^;)



ヘアグ生活31日目


本日の魔法練習は一人ぼっち

いつもはメルーロさんが付き添ってくれていて、彼の都合が悪いときは部下のカハールさんやシゼーレさんが修行してくれるんだけど、今日は皆さん時間がとれないんだって。

申し訳ないですって言われたけど、彼等も第一番隊の仕事の合間をぬって私に付き合ってくれているんだから、気にしないでほしいな。

私の事情を知っているのは族長さん、メルーロさんにカハールさん、シゼーレさん、タガーテさん、そしてミリーの6人なので、修行に付き合えるのも第一番隊4人衆だけ。

外部には『族長が昔の恩人から預かった人間』ってことになっているの。


今は風の3刻(午前9時くらい?)で、初めてメルーロさん達に会った場所、つまりギルガとの落下地点にいる。

実はずっと試してみたかったことがあったので人目につかないところに行きたいとお願いしたら、メルーロさんがここまで転移してくれた。

…やっぱり転移は気持ち悪かったケド。


「この辺りは怪物もあまり居ないはずですが、充分お気をつけください。…本当はお1人などしたくないのですが…」

「大丈夫ですよ!過信してるわけじゃないですか魔法も使えますしね」

「…わかりました。では正光頃にお迎えに来ます」


そう言って心配そうにメルーロさんは転移でシプグリールに戻った。

心配してくれるのはありがたいんだけど、私って心配させるほど弱いのかなって複雑になる。

早く強くなって冒険者デビューしたいな~。


さてと、気を取り直して魔法の練習しよっと。

実は疑問に思ったことがあるのよ。

この世界には何故、雷系の魔法がないのだろうと。

どうやらヘアグは雪や雨や強風はあっても、雷が発生することが無いみたいなの。

平面の世界だからかな、気候も安定してるし気圧が乱れることもないのかも。

だけど、私はドラ○エの勇者専属魔法ギガデ○ンを使ってみたい。ライデイ○でも良い。

そのためには雷を発生させねば!……雷ってどーやっておこるんだっけ?

たしか気流の摩擦で静電気がおきて、雷雲ができて、ゴロゴロピカッ、だったけ?


そんなイメージをしながら〔風〕〔水〕〔重力〕の魔力を手に込める。

すると、バチバチっと音がして雨雲を丸くしたような、テニスボールくらいの大きさの球体が手のひらの上にできた。

お、良いカンジじゃ~ん♪


私は雷雲から雷が落ちるイメージをして、手のひらに出来た灰色の球体を10mくらい先にある木の真上目掛けて投げた。


ヒュン--ピカッ--ズドォォン

投げた--球体から雷発生--落雷


……木が黒焦げになっちゃった。

まだ微かにバチバチいってるし。

えーと…これは、ライデ○ン成功?!

やったーー!



「すっげ~、今の何?何?」


突如、声が聞こえた。

驚いて辺りを見回してみたけど、誰も居ない。空耳?


「な~、今のどうやったの?魔法にしちゃ~見たことも聞いたことも無いヤツだしなぁ。特殊能力?でもアンタ人間だよな~?」


空耳…じゃない!!


「だ、誰?っていうか、どこに隠れてるの?」

「オイラ、別に隠れてなんかないし~。」


ふわり

微かな風が吹いて、上から一羽、鳥が私の目の前に飛んできた。


ぅわぁ…キレイ


それは芸術品のようにキレイな鳥だった。

鷲っぽい鳥だけど、尾が60cmくらいあり、頭部にも鬣っぽいのがついてる。

金・赤・オレンジといった色味の羽が絶妙なグラデーションを作り、キラキラしている。

ルビーに細かい金粒が塗された様な瞳は絶妙な輝きを放っている。


「え…っと、鳥がしゃべった?」

「で?今の木を焦がしたのって何なのさ~?」


私の目線の高さに合わせて羽ばたいているキレイな鳥は、再度質問してきた。


「え…あ…その…あれは魔法です…。〔風〕〔水〕〔重力〕の組み合わせ魔法になるのかな…?っていうか、アナタ鳥なのに何で話せるの?どーなってるの?」

「へ~、あれ魔法なんだ!異質の新魔法編み出すなんて、アンタすげーじゃん。たまたま、この辺りフラフラしてたら変な魔力の波動感じてさ~、いやぁ、珍しいモン見れたよ!そーいやアンタ自身も珍しいのナ。髪と目。北と東の色を持ってるなんてさ~名前なんていうの~?ちなみにオイラはレギってんだ」


オイラ珍しいもん好きなんだよね~、アンタ気に入ったよ、と鳥が話し続ける。


「鳥が…鳥が話してる…鳥が…」

「鳥、鳥って、さっきから何だよ。鳥っていってもオイラ魔鳥じゃ~ん。魔物がヘアグ共通語を話すのは当たり前!」

「あっ、魔鳥!アナタ魔物なのね!そっか、なるほど~!」


最初の15日間で魔物のことも勉強済みよ。

たしか、魔物は下級魔、中級魔、上級魔といて、動物(魔物)型と人型、2通りの姿をとれるんだったっけ。

人型の方が人間や精霊と共同生活するのに便利だから、街に住んでいる魔物はたいてい人型になっているみたい。

人型は魔力の質によって完成度が変わるらしいので、下級魔は人型といっても動物と人間混合な姿になっちゃうけど、上級魔は完全に人間の姿なのだそうだ。

ちなみに中級魔の上ランクの羊緑族の人型は、体は完全に人間、顔がちょっと羊(魔物型)といったカンジ。


でも、魔鳥と魔竜は崖の窪みとか森の木の上とかを住処にしている種族が多くて、むしろ人型は不便だから滅多にならないとも聞いたなぁ。

あれ?でも此処は魔鳥じゃなくて魔獣の地のハズでは?


「ねぇ、魔鳥って南の地にいるんじゃないの?ここ、西の地だよ?」

「ん~、まぁ何ていうかさ~、ぶっちゃけ南は飽きた」


飽きたって…そんで故郷離れてフラフラしてんのか、この鳥。自由だな~、おい。


「それにアンタだって北か東の出身だろ?なんで西にいるのさ?」


うっ、どうしよう?

この鳥に事情全部話しちゃって大丈夫かな?


不躾にジッと金ルビーの瞳を見つめると、視線をそらすことなく私を見返している。

この鳥から感じられるのは純粋な好奇心だけで、警戒本能は動かなかった。

なんとなくだけど、この鳥なら話しても大丈夫って思ったんだ。


「…話せば長くなるよ?」


呟くように確認をとると、構わないと言うので、私はレギと名乗るキレイな鳥にヘアグに来た経緯を端的に話した。

レギは興味津々といったカンジで私の話を聞いてくれてたけど、一通り話し終わると、金ルビーの目をニカっと細め、ぐふふふ~楽しそうに笑った。


「異世界人って、存在が珍し!生き返るワケが恋人探しだなんてさ~!やっぱアンタいいな。で、名前は?オイラはさっき名乗ったのにアンタの名前聞いてない」

「あ、そうだよね、ごめん。私は…(百合奈っていっても聞き間違えられちゃうんだろな)…ユリーナよ。よろしくね」

「ユリーナか!よろしくな~。…あのさ、ユリーナが嘘つきじゃないってのは承知でさ、聞きたいんだけど…」

「なぁに?遠慮なんていらないよ」

「ん~…ギルガをやっつけたのが、ちょっと信じらんないっていうか~、オイラも一度ギルガと接触したことあるんだけど、すげ~デカくて強い怪物だったからさ、人間のオンナ一人が落ちてきた衝撃くらいで、やられるかな~って思ってさ。」

「確かに、とっても大きな黒鳥だったよ。私が落ちた所って、背中の真ん中、羽の付け根っていうか、人間でいうところの肩甲骨あたりになるのかな?そこに膝から突っ込んだの。そしたら一瞬ピタッと止まって地面にまっ逆さまよ~。よく考えたら、レギの言う通りよね、あんなに大きな鳥が私ごときの体重で落ちるかなぁ、不思議~」

「……なるほど。」

「何が、なるほど、なの?」

「ユリーナが落ちた所、急所だよ。」

「……え?」

「だから、急所。いかにギルガといえど、急所やられたらイチコロだったんだな。」

「……そうだったんだ。すごい偶然……」


もしかしたら『監視者』が意図的に私をギルガの上に落としたのかも…なんて一瞬思ったけど、起きた事を考えてみても結果は変わらないから、色々推測するのはやめよう。


「なー、なー、ユリーナさぁ、恋人探してんだろ~?オイラなってやろうか?」


唐突すぎる申し出に、目が点状態の私。


「はあぁ?!何言ってるの?レギは鳥じゃん!私、恋人は人間がいい!!」

「鳥っていうなよ、魔鳥だよ~。でも人間が良いのかよ~、オイラずっと人型でいるの苦手なんだからな~。残念だな~。あ、そうだ、代わりに召還の契約してやろうか?上級魔は滅多に人間と契約しないんだけど、ユリーナのこと気に入ったから特別な」

「え?!レギって上級魔なの?って召還の契約?」

「おうよ、オイラ高等な上級魔じゃ~ん。魔鳥の中じゃ朱焔族って強いんだぜ!人間に召還の契約してやるなんて、ありえないんだぜ~ぐふふふ」


イキナリ恋人立候補されたり、召還契約してくれるとか言われたり、ワケワカラン


「あのさ、イマイチよく分かってないんだけど…召還ってさ、私の都合で勝手にレギを呼びつけて私の役に立ってもらうってことでしょ?」

「勝手に呼びつけてって…ユリーナってホント珍しいな。召還をそんな風に考えるヤツいないぜ?でもまあ、そーゆーことかな」

「じゃあ、契約はしない」


私はあっさりと、レギの申し出を断った。

レギは鳩が豆鉄砲くらったような表情で(鳩じゃなくて魔鳥だが)私を見ると


「信じらんね~!上級魔の召還契約を断る人間なんているのかよーーっ?!」


って、叫んだ。


「ここにいるじゃん。もうっ。私はね、自分の身勝手でレギを振り回したくないの。召還ってのは好きじゃない」


するとレギは益々楽しそうに目を細めて、クルクルと空中で回転した。

器用ですね、レギさん。


「ぐふふふふっ。召還は好きじゃないってか。益々気に入ったよ~。ユリーナさぁ、そのうちギルドに登録して恋人探しすんだろ~?オイラも付いていってやるよ。ユリーナといると楽しそうだし。」

「え、ホント?それは嬉しい!レギ、お友達になってくれるの?」

「オトモダチ?友達って…規格外発言。ユリーナってマジ異世界人なんだな。発想が違うよ~。」


規格外…人間と魔物が友達なのはイレギュラーなのかな?

でも仲良く共存している間柄なんだから、友達って発想は別にヘンじゃないと思うよ?


「お友達は駄目なの?」


駄目なんて言わないで欲しいな。

初対面なのに話しやすくて、見た目も芸術品なレギ。

メルーロさんやミリーも親しくしてくれるけど、レギとは気さくに接すことができるんだ。

仲良くしようよ~という思いを込めてジッと金ルビーの瞳を見る。

少しの間、見詰め合っていたけど、フッとレギが笑った。


「いいよ。構わない。友達になってやるよ」


やったぁ!嬉しい!

このキレイな鳥さんと私は友達!


「きゃあ、やったぁ、ありがとレギ~」


この世界で初めて友達ができた喜びでピョンピョン飛び跳ねたら、レギにヤレヤレってカンジで生暖かく見られちゃったよ。


雷の魔法が成功して、友達まで出来て、ルンルン気分な私なのでした。


主人公の特殊魔法を作りたくて、こうなりました。

なかなかカッコイイものが思い浮かばず…

結局は雷ってことになってしまいました。

ちなみにレギは主人公の親友役であって、恋人ではないです。

早く相手役を登場させてラブラブさせた~いっ

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